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ノーミソ刺激ノート

書評やスポーツ、言語に関することを書きます。

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人が文学を読む意味を考える。(労働と合わせて)

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バイトで日雇い労働とかよくしてたんですけど、体を使ってへとへとになると本なんか読みたくなくなるんですよ。もうテレビとか動画とか、受動的な刺激だけで手いっぱいなんです。そうなると当然文章なんかも書く気はしません。

 

本を読むのがつらい場合の解決法 - ノーミソ刺激ノート

 

読書時間の作り方(読書時間がない!) - ノーミソ刺激ノート

 

無理にでも読書量を上げる方法 - ノーミソ刺激ノート

 

肉体労働の人が本を読まないのは当然だなって思ってたんですけど、西村賢太なんかは、その小説を読んでみると休憩時間に小説のコピーとかを読んでるんですよね。

マジかよって思いましたけど、もしかしたらそれって本来的な文学の在り方なのかもと思ったんです。


「人生に、文学を」オープン講座 in  東京大学 本郷キャンパス 2016年11月6日(土) 第2講 西村賢太さん「“私”の小説の流れ」

 

彼は肉体労働(代表的なものは冷凍イカの塊をパレットに移す作業)で生計を経ててましたから、大変な労力だと思うんですけど、私はそんな仕事をした後や中盤に本を読む気はしません。

 

読書における場所について - ノーミソ刺激ノート

 

暗渠の宿 (新潮文庫)

苦役列車 (新潮文庫)

なんでかなって思ったんですけど、ただ単純にジムとかでへとへとの時に本を読めるかって言ったら読めるんですよ。でも仕事となると読めない。理論的に屁理屈はいろいろこねられますけど結局わからないままで、今もたまに考えています。

もしかしてこれが文学的な営為なのかと思ったり。

 

そもそも読書って何のためかって言ったらこころを揺するためですよね。

これは学校の国語科でも同じことで、国語のテストって結局何を聞かれてるかって言ったら「今まで君はどれだけ心が揺れたか」を問うものだと思うんです。

人間体を動かすことも重要ですけど心もまた動かなくては生きている意味がないと思うんです。むしろそれ自身が生きることだと思います。

中国の昔の官僚登用試験で「科挙」ってありましたよね。あれは四書五経っていう基本の本の丸暗記と、詩の創作があるんです。

科挙―中国の試験地獄 (中公新書 (15))

科挙―中国の試験地獄 (中公新書 (15))

 
科挙と官僚制 (世界史リブレット)

科挙と官僚制 (世界史リブレット)

 

なぜ丸暗記が必要かというと基本的に言葉を覚えるためです。そして詩作というのは運用です。

 

中国古典と日本古典。 - ノーミソ刺激ノート

 

古典をやる意味を考える(論語編) - ノーミソ刺激ノート

 

日本人に必要な教養 - ノーミソ刺激ノート

 

 四書五経で丸暗記した言葉で持って自分独自のものを捜索するんです。

「詩」は英語で「ポエム」(poem)って言いますけど、もともとはギリシャ語の「ポイエーシス」からきています。意味は「創作」です。

ヨーロッパだとキリスト教と相まって「創作は神の専業」という感覚がありましたから詩作というのはとても高尚なことだったらしいんです。ですから詩人は桂の冠を被る権利があって「桂冠詩人」といって詩の創作は特殊技能だったんです。

イギリス桂冠詩人 (SEKAISHISO SEMINAR)

イギリス桂冠詩人 (SEKAISHISO SEMINAR)

 

でも日本や中国は割と普通の人が詩を作っていたんです。『万葉集』然り『詩経』然り。

楽しくわかる万葉集 (図解雑学)

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NHK「100分de名著」ブックス 万葉集

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 日中の民衆の詩というのは基本的に労働歌です。昔は肉体労働ばかりでしたから、仕事をしながら歌を歌ってたんですね。今もそういうところはありますが。

ヨイトマケなんかはそうですよね。

そういう心の揺れを集団で共有するために歌ができて、言葉が生まれたと言われています。

 

私が肉体労働をした後に文学を読む気がないのは結局どういうことなのかはわかりませんが、体を動かすということと言葉が出来上がるということはやっぱ何か関係があるんだろうと思いました。ということは、未来に水槽に脳だけが浮かんでいたり、コンピュータに個人データが入っているだけで肉体がない人間が生まれるという話がありますけど、それは肉体という受容体に変わるものをしっかりと用意できないと何か問題が起こると思うんですよね。

心・身体・世界―三つ撚りの綱/自然な実在論 (叢書・ウニベルシタス)

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