効率よく読書する方法
1冊1冊を、嫌がらずに読むことです。
でも読書は面倒。
読書は前提として面倒なんです。
読書が好きな人でも、「面倒」だと感じるものです。
だから楽に読めるものを読みましょう。
読解力上げるぞ!って気合を入れても、辞書を読んだり難しい岩波文庫に手を出したりするじゃないですか。
そんなことやっても100%挫折します。
私も1億回挫折してます。
大概の人は挫折したらやりたく無くなるんです。
だから簡単なもの、漫画版から始めましょう。
何でかといえば、誰だって読書をすることは疲れるからですね。
でも読んでいくうちに新しいことを覚えたり、楽しい気分になったりするから読み進められるんです。
ですから第一の目標は「続けること」。
1冊1冊続けて読んでいけば、いずれ1000冊に届きます。
ほとんどの人は一生のうちに100冊も読まずに終わるでしょう。
面倒じゃなければ続きます。
私が効率的に読んでいる方法は「漫画版」を先に読むこと。
私自身は大学院で中国哲学をやってました。
つまり漢文を読んでいたわけです。
これがまた滅茶苦茶に面倒。
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漢文の研究は1文字に1日~1週間かかることなんか普通です。
その時に速く読めるようにするには、「当時の常識を知っておくこと」だったんです。
漢文は漢字だけの上に、句読点(、。)がありません。
という事はどこで単語や意味が切れるのかが分からないんです。
⇓こんな感じ
これは「魏志倭人伝」ですが、その内容をザっと知っていないと、どこが意味の切れ目か分かりませんよね。
大学受験などの問題になっているのには句読点がありますが、それは、受験生は素人ですから、先生がわかりやすくしているだけです。
本来はありません。
だから、ここに書かれている時代の常識を知っていないと進みません。
「それって漢文だけの話でしょ。他の本は句読点がついてるんだから、いきなり原文でも問題ない」
と思う人もいるでしょう。
そんなことないんですよ。
読み慣れていない本は0.1~0.2秒でも1つの表現を読むのに引っ掛かりが出てきます。
たとえば1冊の本は大体3万字とすれば、その内の1割でもわかりにくい単語があれば0.1秒考える時間がいちいちあるとすれば
3000秒=50分
もロスがあるわけです。
そもそも、いちいち引っかかってたら読んでて嫌になります。
だから、普通はここまでロスするまでもなく挫折するのが普通でしょう。
それはあくまで「知ってるけど引っかかる」っていうレベルで、全然見当がつかない単語、表現だって難しい本にはあるはずですから、こんな比には済みません。
だからそういうことを防ぐためには事前に知るべきことは知っておいたほうが良いんです。
なにより読書でマズいのは、「嫌になること」です。
嫌になったら1000冊どころか1冊だって読めません。
それは今では漫画版でまとまっているので、それを知っているのと知らばいのとでは全然スピードが違うんですね。
ですから漢文だけの話ではありません。
1000冊も読むのであれば、難しい本を読んだほうがむしろ、本を選ぶ手間も省けます。
なぜなら、簡単な本だけを選ぶとなると時間がかかるからです。
そんなことをするより、難しい本をある程度読めたほうが、簡単な本を読むときもスピードが上がります。
さらに「読む必要のない本」を選別することが出来ます。
「速読、速読」とネット上でたくさん本を読んでいることや、速く読むスピードを自慢している人がいますけど、速く読むよりも選ぶことを先にした方が速いに決まってます。
ですから初めは時間がかかっても簡単な本をたくさん読んで、自分の中に読める筋力・スタミナを高めないと、難しい本は読めません。
だから漫画版なんてものを本文を読む前に挟むのは
かえって時間もかかるぞ!
と思うでしょうが、そうじゃないんです。
むしろ、準備体操として必要なんです。
準備体操せずに複雑な動きをしたらケガをするでしょう。
読書で言うケガは、挫折です。
読まなければ何も始まらないでしょう。
だからこの記事を読んでいるんですよね。
1000冊というのはどうしても時間がかかります。
時間がかかるからと言っていきなり難しい本を読むのは、
40㎞以上のフルマラソンをするのに、いきなり100m走レベルの全速力をする
ようなもんです。
そんな奴バカでしょう。
ペース配分考えろっていう話です。
だから初めは簡単な本を読むのがまともな判断でしょう。
漫画版のいいところ
「漫画版」というのは、過去の名作がなっている場合が殆どです。
名作を読みたいけど、
- 言葉も表現も難しい!
- そして長い!
というのが読めないポイントです。
でも漫画版ではそれを消化(ダイジェスト)してくれているので、読みやすいんです。
- そんなの邪道だ!
- 昔の人はそのまま読んでたんだ!
- だから現代人は馬鹿なんだ!
と思うでしょう。
しかし、昔の人で本を読んでいたのは、それしか娯楽が無かったからです。
昔の人の世界と現代とでは、常識が違うんです。
漫画版を読んでも馬鹿じゃない理由
フーコーが「エピステーメー」という言葉を言いましたけど、それは要するに
「時代ごとに常識・認識は違うんだよ」
ということ。
過去の本は「難しい」以上に、時代が違うので読むのに時間がかかって当たり前なんです。
だから初めに漫画版を読んでしまいましょう。
疑うのであれば、はじめに岩波文庫も読んでみればいいでしょう。
絶対に挫折しますよ。
岩波文庫全部の最後のページにはこういうページが入っています。
つまり「文庫版になった」ってことが画期的な事だということ。
内容は難しくて当たり前なんです。
それでも注釈とかいろいろ手間がかかってるから、以前と比べたら普通の人も読もうと思えば読めるようになったってことです。
でも普通の人が読んだら絶対に挫折します。
岩波文庫は当時としては「読みやすく編集されたもの」です。
それは、昔の古典というのは遺跡から発掘された竹簡・木簡・石碑レベルのものを、文庫化したのに偉業があるんです。
だから貴重なものを一般人が読めるようになったねっていうだけで、難しいのには変わりないんです。
しかも今の人はせっかちですから、一冊の本を理解するのに何か月も懸けるのを嫌います。
だから挫折するんです。
だったら、どうせ挫折するんだったら漫画版でもいいでしょう。
そして、その後に、本文を読みたいのであれば読めばいいんです。
古典になるような本は、ダイジェスト版だけ、1回読んだだけで楽しめるものじゃないから古典なんです。
その何度も読むうちの初めの1回くらいはマンガ版だっていいでしょう。
その後、本文を10回でも20回でも読めばいいんですから。
その上で漫画版はダメだっていうんならわかりますけどね。
読むべき漫画版
漫画版というと好き嫌いが分かれますし、それ自体を嫌う人もいます。
でも、たとえばkindleアンリミテッドであれば、139冊の内、全部ではありませんが、かなりの冊数が対応しています。
「かなりの冊数」というのは、変更されている可能性があるからなので、ご了承ください。
でもこんなにたくさんあるので、全部が読めなくなったという事態はほぼないだろうと思います。
出版社からしても、読んでもらわないと価値を感じてもらえませんからね。
ですから中でもいい本がアンリミテッドに対応しています。
かりに139冊読んだとしましょう。
それは普通の本ではなくて、日本の古典と世界のベストセラーです。
となると、それが出典(元ネタ)になってることが多いんです。
なぜかといいと、それは思想と物語の元のパターンだからです。
本が速く読めない理由は、パターンを知らないことです。
しかし漫画版で素早くパターンを知ってしまえば、普通の本を読むときも無意識に身についたパターンに沿って読むことが出来ます。
だから読書慣れしている人は速く読めるんです。
それは空手や柔道などの「型」と似ています。
なぜ「型」を学ぶかといえば、それを行う時の基本の身体の動かし方だからです。
慣れていないとうまく動きませんが、動かし方だけでも身についていると、無意識にそういう風に体が動いてしまうんです。
読書も同じ事で、古典を読むことでその読み方の「型」を身に着けることが出来ます。
となると、現在の本を読むときもその方に沿って読むことが出来るんです。
もちろん例外はありますが、それはあくまでも例外です。
だからこそ、そういう所を知るために型を身につける必要があります。
以下のようにマークのついているものであれば、月額980円で読み放題の対象になりますし、今なら30日間無料です
漫画版一冊であれば、さらっと読めますし、学校や会社の行きかえり、休み時間に集中して読めば、日本と世界の教養がガツンと頭に入れることが出来ます。
この中では「古事記」と「源氏物語」は、かなりおススメ。
なぜなら漫画版でないものを読むとなると、この2作品は、
- かなり長い
- かなり難解
だからです。
それが一冊にうまくまとまってるんです。
ですからそれさえ読んでしまえば本編もかなり楽に読めるようになります。
ちなみに「日本書紀」はあんまりよくなかったです。
漫画版だからと甘く見ていては困ります。
大体モノを覚えているのって「概要」じゃないですか。
それを格安で学べるんですから、絶対に使ったほうが良いです。
いい漫画は教養の底上げになります。
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