ノーミソ刺激ノート

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脳死と脳始

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「脳死」とは

「脳死」は「人の死」という定義が日本では決められて久しいですね。

この問題って恐らくずっと終わらないと思うんですよ。

もちろん法律的には「一応の」結論は出ましたし、これからも変化する可能性は十分あります。

でも終わりがどこか、ということは分かりっこないと思います。

 

 ここで今の「死」の概念である「脳死」について知っておきましょう。

 

人が臓器(ぞうき)を提供(ていきょう)する場合の「死」には、2種類あることを知っていますか?

1つは、心臓(しんぞう)や呼吸が止まる「心停止(しんていし)」です。

心停止(しんていし)すると、血液が流れなくなるので、死んだ人のからだは、だんだんつめたくなっていきます。

 

もう1つは、頭の中にある「脳」がまったく働かなくなった「脳死(のうし)」です。

じつは、「脳」が心臓(しんぞう)を動かしているので、病気や事故などで脳のすべてが傷ついたり、脳がまったく働かなくなってしまうと、心臓(しんぞう)も動かなくなってしまいます。

 

人工呼吸器(じんこうこきゅうき)をつけることで血液をからだじゅうに送ることができるので、しばらく心臓(しんぞう)を動かすことができ、「からだはあたたかい」、という状態です。

 

しかし、一度「脳死(のうし)」の状態になってしまうと、もとの元気な姿にもどることなく、やがて心臓(しんぞう)も停止してしまいます。(心停止(しんていし)までに長期間を要する例も報告されています)臓器移植(ぞうきいしょく)の時には、「脳死(のうし)」か「心停止(しんていし)」した人の臓器(ぞうき)が使われます。

 

引用元:日本臓器移植ネットワーク | まなぼう!臓器移植のこと | 臓器移植の基礎知識 | 脳死・心停止とは

 

太字、改行はKECによる。

 

終わりとは

生死と取り扱うとなるとどうしても宗教的な話になります

 

つまり死はどこからかというのは答えが出ないと思います。

 

なぜなら、誰が決めているものではないからです。

時代的に「死」の概念はここだと概念づけることはできますが、それは、あくまでこの時期の人間がこういうように解釈したというだけのことです。

 

上位的存在として「神」という概念がありますけど、それが人間が全員が認めるものではないじゃないですか。宗教的な問題は一つに結論づくものではありませんし、そうすべきものでもありません。

 

昔は教会に情報が一個に集中することができましたから、昔の宗教体制、特にキリスト教の体制ならそういう風にみんなが納得するような方法で決定することはできたかもしれません。

 そういう話はこの小説↓に書かれています。

薔薇の名前〈上〉

薔薇の名前〈上〉

 
ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 2018年9月 (100分 de 名著)

ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 2018年9月 (100分 de 名著)

 

 

しかし今は情報が殆ど開けていますし、これからはもっと開かれるでしょうから、「ここが終わり」、「死ですよ」というのは時代によって変化するというのは仕方のないことです。

 

ですから答えのない問題なんです。

 

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「脳始」とは


ここで面白い議論があります。


人の死を「脳死」とした場合、人の生が「脳始」ということになるのではないか。
脳みそを生命の基準としてしまった場合、脳みそができなければその人はまだ生命ではないということになるって話です

人の脳が出来上がるのは受精後30週で脳波が出るので、
この時期だという。


ということは、この定義上、脳みそが不完全な30週以内くらいの胎児は


生きていないということになる?
30週ということは8ヶ月くらい。


なので30週以内であれば移植なりなんなりしてもいいことになる?

そんなことが書かれているのがこの本です。

世界は分けてもわからない (講談社現代新書)

 

この先生はこの本↓で有名ですよね。

 

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

 
動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

 
せいめいのはなし (新潮文庫)

せいめいのはなし (新潮文庫)

 

 

人間はどうしても「有る」より「無」くなることに意識が行きがちじゃないですか。

生きている、命が「有る」状態がどんなものなのか、そういう事が哲学的に考えられます。

 

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