漢字か使われていた国
「漢字」というものは、今でこそ日本と台湾と中国でしか使われていませんが、
過去には中国の文化圏全体で使われていました。
つまり、
- 中国
- 台湾
- 日本
- 北朝鮮
- 韓国
- ベトナム
で主に使われてきました。
韓国・北朝鮮で使われていたのは知っている人は多いと思いますが、以外と思われるのはベトナムですね。
シンガポール、マレーシアでも使われるということも聞きますが、それは中国系移民が多いだけで、基本は英語です。
現在日常的に漢字を使っている国は中国、台湾、日本です。
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文字は歴史
南北朝鮮で使っているイメージがあると思いますが、「ハングル専用法」という法律があって、公文書ではハングルのみで表記しろという法律まであります。
韓国の東大であるソウル大学校では漢字教育を休止したそうです。
でも韓国、朝鮮の歴史書は全て漢文で書かれているので漢字を読める人がいなくなれば歴史を受け継ぐ人がいなくなります。
つまりこれまでの積み重ねが分断されてしまうんです。
ですから焦った韓国は日本を参考に漢字検定を急いで学生にやらせているんだそうな。
北朝鮮の場合は、金日成が「漢字を使う必要なし」といった事から、漢字教育を1948年に廃止しています。
でも「中国・日本・南朝鮮では漢字を使っているので学習する必要はある」とのことで68年に高等教育のみで教育が再開されています。
しかし北朝鮮では南ほど漢字を重要視せず、
「チョソングル」(北朝鮮でのハングルの言い方。ハングルと同じ)
を使われる場合がほとんどで民間人は全くと言っていいほど漢字を知らない状況だそうです。
ただでさえ謎ばかりの国なので不明確ですが。
漢字はベトナムでも使われていた
ベトナムで漢字が使われていたというイメージがあまりないと思いますが、「ベトナム」は漢字で「越南」です。
「えつなん」
「ベトナム」
「Vietnam」
似てますよね。
北方では「ヴェトナム」南方では「ウェトナム」と発音します。
漢字の意味も合っていて「南の遠い国」という意味です。
自分の国のことを「遠い国」と言っているのではなくて、当時から力があった中国から見た「南の遠い国」です。
現在でもベトナム語辞書に載っている言葉の70%強が漢語由来です。
しかしフランス植民地化されてから、フランス人宣教師が漢字とベトナム独自文字の「チェノム」(チェ喃)を廃止してベトナム語をアルファベット表記した「クォック・グー」(「国語」のベトナム読み。日本語と読み方がかなり似てますね)を採用しました。
ちなみにベトナムの通貨単位「ドン」は日本から輸入していた「銅銭」の「ドウ」が訛ったものです。
双方を見て気づくと思いますが、国家の歴史上文字が変化すると過去の文字文化と新しい文字文化がマゼコゼになります。
それによって各国の言葉の乖離が起きてくるのです。
しかし国際化によって国際語の英語などの文化的に優位な国の言葉が各国の言葉の接着剤になったりして言葉がくっついて共通語が生まれることもあります。
歴史は繰り返すと言いますが、その繰り返される歴史はちょっとずつ違う歴史になります。
螺旋階段をイメージするといいと思います。
同じ地点に居ても、高さが違うので別の場所にいる感覚ですね。
「漢字」の場合、複雑ではあるけど漢字一字が一つの単語として成り立ち、いわばアジアの共通文字であるということです。
これはこの先もどう歴史が変わっても変わらないでしょう。
日本語の場合はどこの言葉にもよらず漢字、カタカナ、ひらがな、アルファベットを駆使して日本語を形成しています。
その日本語的な感覚で外国語を勉強すればいいのです。
言葉の近道は理論ではなく感覚です。
触れたこともなたったベトナム語が実に身近に感じたのではないでしょうか?
これが言葉としての漢字の力です。
日本人は感覚的に漢字の使い方(意味と発音)を知っているので
違う発音でも似ていればすぐにとけ込めるんです。
外国語を学ぶことは多くの人が実践していることですが、歴史的環境を見た上でどのように外国語を学ぶべきか。
それは今の我々の母国語をしっかり勉強することが何よりの近道だということです。
言葉は常に変化し、他の言葉とくっついたり離れたりして実に忙しないものです。
自分の「言葉の本拠地」として母国語の日本語を真ん中に置くことによって、より多くの言葉を俯瞰することができるのです。
でもこれは実際に日本語と外国語を比較して勉強しないとわからないことなんですけどね。
実践あるのみ!楽しいですよ!
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