読み通すには
まずは簡単な漫画版から読みましょう。
これをやっていない人が圧倒的に多いです。
漫画版をバカにしてる人が多いからですね。
論語に
「下学して上達す」「下学上達」
(身近なもの、簡単なものを学んでから、高い領域へ達する)
という話が出てきます。
上達するにはまず、みっともない「下学」が必要なんです。
源氏物語を原文で読んでいるのはカッコイイですよね。
でもかっこいい状態、上達した人になるためにイキなり真似しても無理です。
いきなり難しい所からスタートして上達することは無いんです。
とはいえ、やってみないと体感できませんから、やればいいとも思いますが。
一番まずいのは、挫折して、簡単な漫画版も読まなくなるという事です。
これは勉強全般を挫折する最悪のパターンです。
何事も最悪を避けましょう。
源氏物語を読みたいと思ったにに結局、漫画版も読まずに内容もわからないのが最悪のパターンです。
絶対に難しいものからのスタートは長続きしないので、簡単なものからスタートしましょう。
源氏物語は長い
『源氏物語』って凄く有名ですけど、読んだことがある人、内容をなんとなく知っている人は日本人の0.01%もいないでしょう。
その理由は…
『源氏物語』は長いんです。
ちょっと長いとかそういうものではありません。
ほとんどの人が挫折するくらい長いんです。
だからあなたもそのまま読んだら絶対挫折するんだと思った方がいい。
源氏物語を読もうとする人自体、読書の好奇心が高い人ばかりです。
その人たちが挫折するんです。
長いからこそ、結論から言えば、簡単な漫画版から読んだほうが良いです。
そういうと、
- 余計なお金がかかる
- 余計に時間がかかる
と思うでしょう。
だからいきなり原文を読んだりするんです。
そしたら、漫画分のお金もかからないし、いきなり読むから時間短縮になると思ってるんですね。
でもはっきり言ってそれは不可能と言っていいでしょう。
語彙力を高めるために辞書を読むという人もいます。
三島由紀夫とかそうですね。
英単語を覚えるために英和・和英辞書を読むパターンもありますね。
でも、それがうまく行くなら、みんなやってますし、
「東大生はみんなそれをやってます」
なんていう宣伝が辞書業界から発信されるはずですよね。
そうすれば辞書は売れますから。
でも実際はそういう話はあまり聞きません。
なぜならほとんどの人はうまく行かないからです。
どうしてもやりたいんなら、誰の家にも辞書くらいはありますからやってみてもいいでしょう。
なければ図書館でも、学校でも辞書くらいは有るはずです。
でも普通は1ページも進みません。
詳しくは↓の記事をどうぞ。
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そもそも読み通せない
『源氏物語』も一緒で、読み通せる人が少ないんです。
原文で読もうとすると、「わからないことだらけ」だからですね。
普通は学校教育の古文でほとんどの人が苦戦しますよね。
だから普通の人が読めるわけがありません。
読むとすれば、対策を打たなければいけません。
バカ正直に原文を読むようなことは、基本はしてはいけません。
まず読むべきものは、
- 漫画版
- 現代語版
- 解説書
を読むといいでしょう。
こういうものを読むほうが長く時間がかかってしまうと思いがちです。
が、そんなことはありません。
どうしても疑わしいというなら、図書館の原文を読んでみてください。
1章も読み切れないのがオチです。
現代語を読むとおすだけでも充分です。
この「日本文学全集」シリーズでも、一冊がものすごく分厚いです。
ですから角田光代ファンであれば読めるかもしれません。
でも普段小説を読み慣れてない人なら、現代語版でも難しいと思います。
原文で読むのは、大学で日本文学を専攻した人くらいであれば別ですが、そうでないなら漫画版を読みましょう。
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「文学」としての価値を知りたいのであれば、解説書を読むのもありです。
色んな現代小説家が「源氏物語が好きだ」と発言していますから、作家に興味がある人は読みたくなるという気持ちも分かります。
とはいえ、そんなに気軽に読めるものではないので、
「大体こんな感じの話」
っていうのだけ抑えるだけでも、かなりの文学通になれます。
解説書はたくさんありますが、一番わかりやすいのは「100分de名著」のテキスト版です。
これは本当にいいです。
NHK「100分de名著」ブックス 紫式部 源氏物語 (NHK「100分 de名著」ブックス)
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下手に大学教授が書いた分厚い本を読んでしまうと普通は読み切れません。
解説本は大学教授のようなちゃんとした人が書いた本のほうが良いんですけど、とはいえ、まずは簡潔に読み切ることが先決。
だから↑の本を読むことをおススメします。
比較的薄いので簡潔に読めます。
以上のように、読む価値のあるものです。
なぜなら、誰でも知ってる題名ですから、あらゆる物語の元ネタになってるんです。
これさえ読んでおけば、色んな物語の読み方に慣れることになります。
物語、小説というのは、「慣れる」という事が重要です。
なぜなら少しでも違和感や疑問があると「挫折の種」になりますからね。
読書に挫折はつきものです。
ですから、読書をするときには「挫折をしない」事が結構重要です。
だからこそ、簡単な漫画版から始めたほうが良いんです。
日本最古の長編物語を読もう
源氏物語は全54帖の世界レベルの古典長編物語で、読みとおすには一苦労です。
でもそれなりに語れたりしたらかっこいいですよね。
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ではどうやって効率よく読みとおすかといえば、漫画です。漫画は本当に便利です。
古典を専門に勉強していましたが、はっきりいってまんがを知らずに先に読んでいたら
読めていません。
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古典の面白さはストーリーではなく細かな描写なので100回1000回読んでも滅びない傑作だからこそ古典なのです。
そして人にそれを話せるくらいになれるのは精々10回以降でしょう。
これを何の知識もなく原文で読むなんてほぼ不可能です。ですから先にストーリーを入れてしまいましょう。
ただ源氏物語には有名な 『あさきゆめみし』という漫画版がありますね。全七巻。
漫画版ちゃんと頭に入れるなら、本当は5回は読んでほしいです。
でも一回読んでしまったら案外、簡単に5回読めます。なんせ話は知ってるんですから。
この「話を知ってる」という状態がでかい。
知っているというだけで細かなところに気が付くようになります。
源氏物語なんか読んで役に立つのか
文学を読んで何が役立つって、日常生活での「気づき」が増えることです。
それに直接間接問わず、源氏物語は日本文学に影響を与えています。
一回知ってしまえば他のものを読むときも
「あ、これって源氏に似てる」
という風に文学全体の補助知識として役立ちます。
補助知識になることによって読書の力が本格的に上がります。
全七巻はゆっくり読んでも一週間で読めるでしょう。
これは一生使える教養なので、それを一生のうちの七日間で手に入るんですから
驚異的な効率です。
漫画版で読むとすぐに内容が掴めます。
ただし七冊でも長いという場合は一冊で収まっているものもあります。
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これなら普通の漫画の厚さで一冊にまとめらてれいます。
私はまずこれをよみました。
普通の厚さなのに内容が濃く登場人物もちゃんと書けているので、普通の漫画と比べたら噛み応えのある内容になっています。
原文や現代語訳のあの長さを読むのと比べたらかなり楽。
なんせ短いので複数回読んでも苦になりません。
むしろたくさん読んだほうが味がして楽しくなってきます。
少女漫画風のものはちょっと・・・
確かに源氏物語の漫画版はその多くが少女漫画チックです。
しかし「まんがで読破」シリーズの一巻ものであれば、クセのない絵なので見やすいと思います。
一回読んだらストーリーが大体どんな流れかということが分かります。
複数回読めば一人一人のキャラクタが見えてきます。
七回も読めば源氏物語について全然知らない人に話をすることができるでしょう。
え?七回も~?という人がいると思いますが、三回くらいは流し読みで、本当にストーリーを見るくらいでいいんです。
文学に詳しい人になりたいのであれば源氏物語の解説書はたくさんあります。
研究の歴史も長いので一回頭に入れてしまえば一生楽しめる巨大な教養になるんです。
ですから漫画版というのは大変便利。非常に効率的で楽しめる読み方です。
世の中には漫画版を馬鹿にする人がたくさんいます。
なんて愚かな判断でしょうか。
本というものは基本的に知識を持って読むものです。
ですから事前知識を持って本篇を読んだほうがずっと効率的です。
そもそも苦しんで読むことが少なくなります。
読書は努力して読むものではありません。娯楽です。
ですから、読書をするときに我慢して読んでいる人がいますが、はっきりいってナンセンスですよ。苦しんで読んだら頭にも残りませんし、意味がないです。
読書は楽しいものですから。
そしてその話をするときに楽しく話せます。
するとあんなに難しく、難解だという古典を楽しく話せる人というのは魅力的だと思いませんか?私はそういう人に憧れます。
瞬間的に必要で不要になる知識もあります。
が、これは一生にわたって使える知識です。
是非一度読んでおくべきでしょう。
そもそも小説は楽しいもの
私の場合、仮に古典に関して話す機会がなかったとしても、世の中には古典に直接・間接問わず影響を受けているものがあるので、それを見るだけでも心躍るものがあります。
え?そんなもんに?と思うかもしれませんが、世の中にある娯楽という娯楽は自分の心が動いたかどうかが面白いと思う基準でしょう。
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遊園地に行くにしても映画を見るにしても同じ事です。
物理的に移動したから楽しいというよりも、移動して身体に感じるものがあったりして、最終的に心が動かされるから楽しいのです。
ですから「知っている」ということは人生全般においてそれだけでエンタメ化させることができるのです。
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