- 「評価のポイント」とは
- 見どころを作る
- 「意外性」が見どころになる
- 先生を驚かせる
- 必殺二冊読み
- 知っておこう。最悪のものということを
- 知っておこう。プロのレベルというものを。
- そのほかに宿題に関しての記事はこちら
文章全般に言えることですが
意外性
これこそが読書感想文のポイントです。
つまり面白くする。
ただし、たいていの読書感想文で評価されるのは純粋な「面白さ」ではないと思うんですよ。
所詮、子供の書いたもんなんか面白くないんです。
じゃあどこを評価するかって「こどもらしさ」とかいう腑抜けたことです。
小学生の絵でどんな絵が評価されるか。
はっきり覚えているのは小学校一年生の時です。
先生が「子供らしい絵」がいい。といった時にマジかよこいつと思ったのを思いだします。
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「評価のポイント」とは
でもそれしか評価できないんですよ。
大人にとっての子供の意外性って、大人にない「子供らしさ」くらいしか普通ないんです。
評価する側も、「評価のポイント」と称して「いいわけ」をつけます。
「何でこれがいいのか」っていう「いいわけ」です。
そもそも文章の評価なんて「芸術性」があったりする場合があります。
でも簡単にできることではないので、「子供らしい発想」というようなことで、個人的な評価を下すことを避けます。
それが社会の一般的な評価基準ってやつです。
「子供らしさ」とは
じゃあ具体的な子供らしさって何かと言えば「体験」と関連してるってこと。
「ここは評価しやすいですよね」っていうフックを作ってあげます。
見どころを作る
そういう書き方って不純な感じしますよね。でも文章を書くっていうことは読書感想文に限らず「読者のことを考える」ってことが重要です。
子供向けなら漢字は抑えたほうが良いし、インテリに読ませるんならカタカナ語を使った方が歯ごたえがあるような感じがします。
そういうふうに言葉の組み換えが出来るのが文章力です。
「語彙力」という言葉が流行りましたけど、語彙力っていうのは難しい言葉を知っているってことだけではありません。
文章を作る場合には、その場その場で適切な言葉を構築できるかってことです。
そういう言葉の使い方がセンスというものです。
文章は何のために書くかといえば読む人がいるから書くんですね。
読む人はどうして文章を読みたいんでしょうか。
それは自分の中になかった新規性を求めているのです。
この文章を読んでいるあなたもそうでしょう。
読んでいて退屈な、誰でも知っている文章なんか、それはもう時間の無駄です。
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「意外性」が見どころになる
でもたいていはそんなことを書いている生徒はいないので、それ以外のつまらなく、細かい所で評価するしかないんです。
ほとんどは読んでいてあくびの出るような内容。
でも感想文は国語の能力がもろに出るし、書かせると能力も上昇しやすいものなので国語科教育では必須のポイントなんです。
ただ読むとなるとほとんどが詰まらんものばかり。
だから意外性を出せば光って見え、評価されることは必然なのです。
先生を驚かせる
それでもあなたからすれば先生の気持ちなんか
「あーそういうもんかねえ」
と類推するくらいでしょう。
でも、これを読んでくださっている方は、
「読書感想文の書き方がわからない」
から読んでいるんですよね。
つまり「人が文章を読む」というのは自分の中にない「新たな発想」を求めているからこそ読むのです。
意外性を書かなければ意味がないといってもいい。
読者を驚かせなければならないのです。
ですからまずはみんなが思い浮かぶようなことでもいいので考えて、これは学年の中でだれも思い浮かばないであろうことを書けばいいのです。
そんなの難しいって?そんなことないですよ。
仮に一学年1000人もいたら男の目線を特化で書くだけで女子分の50%を切り捨てることができます。逆もまた然り。
さらに文系的、理系的発想、動物好き的発想、スポーツ好き的発想、障碍者的発想など人それぞれ特殊性なんかいくらでもあるのです。
それを盛り込めばいくらでも意外性は出せます。
ただ、そうはいっても難しい場合は一つだけではなく二つ以上の本を読むとなると
全体の5%もそんな手を使う人はいないでしょう。
必殺二冊読み
関連書籍の○○によれば・・・なんて書くと、「お、一冊だけの話じゃないんだな」と評価されやすいポイントを増やすことができます。
でも本を読むのも慣れてないのに二冊だなんて……と思いますよね?
でも全部読む必要はないんですよ。
課題の一冊目はさっと50%~70%も読めばよくて、二冊目の補助的な本は目次だけ読んで気になった個所だけ読むのでもいいのです。
つまり1~10%くらいでもいいのです。
でもお金がかかるという学生諸君には
amzn.toキンドルのこれに登録してしまえば、範囲内の本であればいくらでも読めるので親御さんに負担をかけずにいくらでも少しずつ読むことができます。
そう。読書というのは一字一句読むことが正しいのではないのです。
読んでいて進みが遅いものであれば読まなくていいのです。
むしろ時間の無駄なので、読んでいて面白くないものは読まないほうがいいのです。
ですからジャンジャン本は変えましょう。
本はいくらでもあるのです。
人と同じで好き嫌いがあって当然なのです。
評価されるのは意外性のある文章ということでした。
知っておこう。最悪のものということを
では逆に読書感想文の最悪なものは何でしょうか。それはただのあらすじです。
なぜかというと誰が書いても同じだから。こんなの読んでいても誰も驚きません。
正確に言えばあらすじでも面白いものはあります。
が、それはプロレベルの書き手でなければ無理です。
高校生くらいのガキンチョでは不可能です。
では、何がいいかといえば、単純にその逆のもの、つまりあなたにしか書けないものなんですが、そんなこと言ったってわかんないですよね。
ですからそれを簡単に言ったものが、意外性なんです。
さらに簡単に言えばですね、感想文であらすじを書くなんて言うのは
100人いたら全員、100%が思いつくやり方なんです。
ですからこの方法は捨てなければなりません。なんせ意外性ですから。
よって自分の中でだれでも思いつくだろうというものをまずは浮かべて、それを避けて通るようにするのが第一段階でしょう。
大事をとって紙に先に書いてしまってもいいです。
次は主人公の気持ちになって、「なんで主人公はこういうことをしたんだろうか」という主人公の気持ちになって書くということです。
これは90%の人が考えます。ですから基本捨てましょう。
しかし、この場合はいいものと悪いものがあって、最初から最後まで主人公の気持ちになって行動をパターン化して、もしこうだったらこう、またはこう、などと、文脈から類推して書くならいいです。
が、たいていは途中から自分の主観が入って結局読んだ本自体の命題が見えない、ただの作文になってしまいます。
これのどこが間違っているかって?
読書感想文の主体はその本なんです。
その本を読んでこその感想なので、主観が入りすぎると、読んでいる先生は「こいつは本当に本が読めているのか?」と疑います。
本というのは気持ちが入ると思い込みが生じやすいので生徒はそのパターンに入る傾向があります。
大学入試の小説読解がある理由はそこにあります。
ほとんどの高校生は小説を読んでいて、読者である自分の自己制御ができないのです。
だからそんなガキを振り落とすためにそれがあるんです。
大学入試も突破できていない人がこの方法をやるのは危険です。
ですから「主人公の気持ちになる」のは捨てるのが得策です。
次に浮かぶのは、登場人物の意外な人にスポットを当てる。
例えば、
であれば、主人公は「坊っちゃん」です。
主人公、坊っちゃんの気持ちになって書くのは基本は捨てなのですが、プロの書き手は意外性として発想を飛ばし、少数の人間しか知らないような特殊な知識を織り交ぜて書くことができるます。
その他の方法を知りたいなら他にもたくさん読書感想文に関して書いています。
知っておこう。プロのレベルというものを。
まずはこれがいいでしょう。
この作品は、坊っちゃんが最終的にどうなるのかに注目しています。
彼は数学教師の後に技術者になるんです。
その後ある人の
周旋 で街鉄 の技手になった。月給は二十五円で、家賃は六円だ。
そこは誰もが「なんで?」と思うところなんですね。そこを、うまく突いた作品です。
つまりみんなが思っているのに解消できていないまま放っている問題を再提唱するという意外性をこの本は持っているのです。
この技法は素人には絶対無理ですね。
この作者は東大卒の英文学者なので漱石と経歴も似ていて、かつ鉄道に詳しく、とても知性的でユーモアあふれるもので読み物として大変いい本です。
なので一読することをお勧めします。
また、主人公から少し外して書くのであれば下女の「清」のことを書くパターンもあるでしょう。
これはアホの高校生なら10%も書く人はいないと思いますが、だからまあ有りっちゃありです。
日本文学専攻の大学生なら95%思い浮かぶやり方ですが。
ちなみにもう一つのプロの感想文として、これがあります。
清が「きよし」という男なんじゃないかというホモ小説として読む本も存在します。
これも意外性!!
しかし予め言っておくと、作中に清を「婆さん」と言っているので眉唾物なんですが、ちゃんと読み込めてないうちに読んだ当初は「え、本当かも」と思ってしまったほど、納得してしまう内容ではあります。
ただ、著者は作品をちゃんと読み込んでいて、説得力もある内容なので
素直に読んだら信じてしまうような内容です。
以上、プロの読書感想文として2作品を紹介しました。
まあ読書感想文を書くのにこのレベルは絶対に無理なのですが、
プロレベルを知ることで自分の発想のレベルを上げることができますので紹介しました。
ですからまずは
誰もが考えるレベルを自分の中から出していく作業をし、そっからズラした、捻りのきいた問題を出していくのが評価のポイント
なんです。
捻りを出すには人が発想できないレベルのものを出せばいいのです。
それはどうやって出すかといえば、人よりも本を読めばいいのです。
amzn.toこれに入ってしまえば、気になったところだけ、多くの本から気になったところだけを摘まみ読みしてしまえば評価もされますし、国語の勉強にもなります。
ほとんどの日本人は月に一冊も読みません。
読む人でも月に4冊です。
今のうちにちょこちょこ本からとれる知識をとってしまえば1年もすればほとんどの人が馬鹿に見えてきますよ。