村上春樹が苦手な理由はやはり文章とキザな内容でしょう。
私は日本語だけの村上春樹を読む能力がありません。
我慢ができないんです。イラついて。 でも読みたいという矛盾。
これは好みの差ですが、そういう日本人は多いのです。
春樹は川端康成が嫌いだと言っているそうなのですが、恐らくあんまり読んでいません。それは仕方のないことで嫌いなものは積極的に読みづらいものです。
私は川端の文学が好きですし、平易な文章で心情を表す芸術的な文学が好きです。
読書量も外国文学と比べて日本文学の比重が多いです。
でも大概の春樹理解者の意見で出るのは、「英語で読むと嫌じゃない」ということ。
本当かよ。と思って読んだら驚いたものがこれ。
異国感があって日本人が書いている感じがせずに読めるんです。
やっぱり本質的に日本人がこんなことやらねぇだろっていう違和感が読書を進める歩を塞いでるです。
まあそんなこと思うんだったら読まなければいいんですがそれでも読みたい、我慢して読んでいるという人があまりにも多いのでこの本は非常に役立ちます。
しかも英語の解説がきちんとされているので英語の勉強にもなる。
教科書的な英語の勉強とは違い、文学的な英語なので、英語的な発想の一端がわかります。
しかも短編集なのでそれぞれ違う物語で読みやすい。春樹嫌いでも本当に読みやすいです。
読み慣れていない人のための本の読み方 - ノーミソ刺激ノート
村上春樹と大江健三郎が似ているという問題 - ノーミソ刺激ノート
英語もなぁ、という人は、漫画版もあるのでそれを読んでみるのもいいでしょう。
フランス人が描いた薄いもので、非常に読み易いし、絵もいいです。
しくなくともアメコミのタッチよりはフランスの「バンドデシネ」のタッチのほうが好きです。