内容は混ざらない
一冊だけ集中して読み終えるまで他の本を読まないという人が結構います。
しかしそれって効率的じゃないんですよ。
効率が全てではないですが今回は効率面重視で考えます。
一冊に集中するよりむしろ、共通点のある本同士複数読んだほうが、それぞれの情報、知識を補完(助け合い)して、「同じこと言ってる!」という感動があったりするので、記憶の強化につながります。
例えば、
- 哲学概説と個別の哲学書(ソクラテス入門・ヘーゲル入門など)
- 同じ著者の本
- 同じテーマの本
のような感じで、それを買ったらその時に「あとで読もう」ではなく、ザっと内容を見てみるのがいいです。
目次だけを見るだけでもいいです。
そうすると、同じテーマだったり、同じ著者の本だったりすると、数か所共通するところが見つかることが多いです。
そういうものを読むと、そのジャンル、その著者の大事な言葉がよくわかるし無味になっています。
本は1冊をちゃんとコンプリートすることはまずできないので、そのように
なんとなーく理解する
といったイメージをもって読書をすると気楽に読めますし、どんどん知識も増えていきます。
止まらない読書法
例えば、哲学というジャンルが全く分からない状態で1冊を読もうとしても、本を的確に選べるわけないので、その本が素人向けじゃない可能性もあります。
私のおすすめとしては初めてのジャンルに挑戦するときは、そのジャンルの入門~中級を20冊くらい、細かく読まずにザっと見通す感じがいいです。
なぜなら初めてのジャンルは初めての単語が多くて、脳みそがヒリヒリする感じがあるんですね。だから進みが遅くなる。
「この単語知らん」ってイチイチ止まっていたらいつまで経っても読めません。
一冊だけ読むほうが、その本に集中できるし、内容が混ざらないですむ。
と思う人がいるようです。
もしかしたらあまりに似ている内容の本であればそうかもしれません。
しかし、全然違うジャンルであればそういうことはありませんし、読書をしなれていたら似ているジャンルの本でも混ざることは殆どありません。
そもそも、多少は混ざってもいいと思ってます。
そっちのほうが「あ、この内容はそうじゃなかったっけ?別の本だったっけ?」という混乱が逆に楽しめたりします。
私は小説も新書などの教養本も読みます。
たくさん読んでいると、一見似ていないテーマの本でも、似ている所が見つかったりします。
それは知識量が増えてきたからですね。
以下は私が大学院時代にその経験をした例を紹介します。
例:『サピエンス全史』と小説『吉里吉里人』
この二種類の本を偶々近い時期に読んだんですけど共通点の多いこと!
たまたま近い時間に読むことが重なったんで思えたんですけどね。
両者とも大作だし、問題範囲が広いから重なることが多いのは当然といえば当然かもしれません。
共通問題は国家、貨幣、農業。
個別の問題ではサピエンスでは宗教が大きく取り上げられ、吉里吉里では言語が大きいです。
両者とも長い割に非常に読みやすいし、一貫した著者が書いていて広い範囲の問題を取り上げているので人文科学系の知識の底上げには両者を合わせ読むと面白いです。
しかも両方とも非常に知られた作品ですよね。
『サピエンス~』に関しては以前からよく書いているのでこちらをお読みいただきたいです。
吉里吉里人は昨今の方言文学ブームもありますが、言語、方言に関する情報量が多いんです。
作家の井上ひさし自身がかなり日本語の知識を持っていて、それはプロ並みの知識量だと聞いたことがありますが、それは嘘ではなさそうです。
どれとは言いませんが、専門家でもないのに漢字や言葉の入門書のようなものが昔から出回っている中、『吉里吉里人』は非常に地に足のついた言語観を持って描かれています。
井上ひさし自身は人格的に些か問題があったようですが、本当に天才的に言葉が上手いです。
友達100人より愛読書100冊のほうが価値があるぞ - ノーミソ刺激ノート
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