向上は気づきにくい。
語彙力やリスニングの力を上げたいというのは多くの人が思っていることでしょう。
しかし上がったと感じることはほとんどないでしょう。
なぜならそれらの「言語力」は気づいたら上がっているものだからです。
なぜ実感できないかといえば言語力は人の力そのもの、基礎の力なので、自分の身長のように伸びていることに気づきにくいんです。
そういう事に気づくのは人と話したりしたときなどの客観的にみられる機会があった時くらいですね。
しかし力を上げようと訓練を積んでいれば確実に上がっているので悩む必要もありません。今一つ言葉を覚えたら力が上がっていると感じていればいいでしょう。
語彙力ってなんだ
本を読むだけで語彙力が上がるかと言ったらそうかもしれません。
でも語彙力とは何でしょうか。
言葉の組み立て方、単語量を併せたものかもしれません。
じゃあ言葉というもは今読まれているようにも事情の言語を理解するだけでいいかと言ったらそうじゃないと思うんです。
言葉は文字以前に音でした。
世界中文字がない文化はありますけど、口頭語がない文化はありません。
言葉がないと人間の文化活動は始まりませんからね。
でも音がなくても言語文化は理解できると思うでしょうか。
できないんですね。
試しに全く分からない言語を音声なしで理解しようとしましたが全然理解できませんでした。
私がやったのはロシア語ですけど、ロシア語は文字表記もアルファベットの形とは違うのでちゃんと勉強しないと想像もできません。
音無しで単語の意味を知るという事は形だけで理解することになります。
中国語が分からない日本人が中国語表記だけで理解しようとしてもどうしても日本語音の情報が頭から離れないんですね。気になる人はすぐに気づけるはずですから図書館の言語コーナーで試してみてください。
今あなたはブログの文字を読んでいますがこの文字を読みながら同時に音も認識しているんですよ。
速読できる人でもそんなのかと思うかもしれません。
どんなに速く読んでいても文字から音を一瞬で感じているんです。
なぜなら音声で聴いている状態でも人間は一連の文章を点と線で認識しているからです。
言語の始まりは「音」
阿部公彦「文学部的リスニング必勝法」ー高校生のための東京大学オープンキャンパス2015 模擬講義
これちょっと長いんですけど言葉を聞くことに関して高校生でもわかるレベルで教えてくれています。長いですが全部面白いです。
ちなみに阿部先生は英文学の専門家ですけど、日本文学にも造詣が深くて西村賢太氏に関しても結構詳しいんですね。
人が文学を読む意味を考える。(労働と合わせて) - ノーミソ刺激ノート
↑の記事では西村氏の講演で阿部先生が聞き手になっている動画を載せています。
阿部先生の本はよく読んでいますけど、本当にわかりやすく知性的な文章です。
このブログでは読書に関して書いていることが多いですけど、音声もちゃんと聴くこと、そして話すことが発達に重要だと思います。
話すことが苦手なら書くことから始めてもいいと思います。
アウトプットである「話す・書く」はインプットの「聴く・読む」よりも何となく距離感覚が近い気がします。これは勘ですけどね。
語彙力アップに一番手軽な方法は確かに読書ですけど、人との差はあまり出ないと思います。
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やっぱり合わせ技でやっていくと掛け算式にどんどん良くなっていくと思うんですけどね。
アウトプットの例としてブログを書いてみるのもいいと思いますよ。
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