会話の「おもしろさ」
会話の中でいきなり「おもしろさ」を振られることってありますよね。
「おもしろさ」ってセンスだけだと思われがちです。
が、普通の人でも訓練によってある程度はどうにかなったりします。
おもしろさに限らず会話の上達にはインプットとアウトプットが必要です。しかし、どちらかというとアウトプットのほうが大切。
インプットは本を読むのでもテレビを見るのでもいいと思いますけど、どちらかと言えばラジオがいいです。
テレビのバラエティでもいいと思われがちですよね。確かに面白いですけど、一つのクダリが短いんです。
一言ネタが多く出た時もありましたけど、それは長々とネタをやっていたら簡単にチャンネルを変えられるからです。
それはテレビの都合であって一般的な会話の都合ではダメなんですね。会話は一言で終わりませんし、前後関係が重要ですから。
テレビの影響で一言ネタを連発する人がいますけど大概がサブイったらないじゃないですか。
日常会話では長く話せるネタのほうがいいんです。
「大ウケ」とまでは行かなくても、納得されるくらいの合格点に到達することくらいはできます。
ですからコツだけでも頭に入れるだけで結果が変わっていくので色んな情報を取り込んでおきましょう。
だからといって過信してはいけません。「私は面白いんだ」という態度はすぐに伝わってしまうので謙虚に考えましょう。
「おもしろさ」にもコツはある。
どんなにスポーツが下手な人でも大抵の人は適切な教育と練習を重ねれば、ある程度上手くなります。喋りというのはスポーツと似ていて、余計な頭を使わずに練習していれば上達しやすくなります。
ですから考えることは止めましょう。
考えると面白くなくなるので、無意識に出るような言葉がおもしろさに繋がります。
基本的なコツ
- 常識を外す
- 「あるある」を外す
- 具体性を持たす
よく言われることは常識からズレることです。
ですから常識と全く関係ないことあを言っても意味がありません。
常識と似ていますが常識というほどのことでないことに「あるある」がありますね。
読書あるある
- 読みながら寝ちゃう
- うるさい所のほうが却って集中できる
- どこまで読んだか忘れちゃう
- 読んでない本ばかりが溜まる
- しおりを挟んでいても内容を忘れている
- 漢字が分からなくて先に進まない
といった感じでしょうか。
ただし、これだけを答えても面白くないんですね。
具体的なコツ
- 笑いながら答えない
- 長く答えない(一言で)
- 考えない
笑いながら答えない
ウケているかどうかが不安になったり、自分の答えに自分で笑ってしまったりして笑いながら答えてしまう場合があります。
これは聞き手を興醒めさせてしまったり、答え自体を聞き取りにくくさせるので避けましょう。
会話はリズム感なのでそれでリズムが崩れてしまったらせっかくいい答えでもウケなくなります。
長く答えない(一言で)
会話はリズムだという事に関係しますが、言葉数が多いと余計な解釈が生まれやすくなります。変に説明臭くならずに「わかりづらいかな」と思っても短く答えることを最優先させましょう。
プロもやってしまっているところを見受けられますが、ウケるかどうか不安になって二回同じことを言ってしまうのも本当は禁物です。
考えない
これは意外なことかもしれませんが、この手のことは頭がいい人、よく考えてから喋る人のほうが滑る傾向がありますよね。
スポーツと似ているとも前述しましたが考えるよりも体を動かす、口を動かす方が結果的にいいパフォーマンスになることは子供のころから見たことはあるんじゃないでしょうか。
じゃあ頭のいい人は面白くなれないのかというと、そんなことは無くて、程度を落とす、IQを下げる感覚、バランス感覚を練習することによって鍛えることはできます。
こういうことが苦手な人というのは頭の中の情報が多すぎて上手く整理できていない状態です。いらないものは切り捨てて最低限のものにする感覚を持ちましょう。
一般的に「情報」というのは一般的なこと、つまり「科学的に、誰でもそうなる知識」が情報です。しかし「おもしろさ」はそれが必要ありません。答えに求められているのは一般的なことではないんです。特殊なこと、個人的なことです。
それでは答えるべきなないこと、答えるべきなことをまとめます。
おもしろくないこと
- 一般的なこと
- 学問的な常識
- 抽象的なこと
おもしろいこと
- 特殊なこと
- 無学で非常識
- 具体的なこと
聞き手の気持ちを考える。
人間は本来自分のことしか考えていないので、誰でも自分勝手になります。特に話慣れていない人は自分勝手に話を展開しがちです。
聞き手の気持ちというものの基本は勝手に自分の頭にある情報だけで話をしないことです。
「知っている常識はこうだよな」
具体性を持たすとは想像しやすくするという事です。
すごく勉強になる動画はこれです。
勉強になると言ってもこれを見て面白くなるかといえばそうではありません。
結局実践あるのみです。
テンポよくというのは音楽的感覚ですね。
PCだとできるんですけど、倍速で設定しても答えがおもしろいものはおもしろいです。
バカリズム氏はIPPONグランプリでの優勝常連なので面白くて当然です。
タイプの違う芸人さんとして、ふかわ氏がいますが、彼は元々あるあるネタで人気が出た人です。
意外に馬鹿キャラのてんちむ氏がおもしろい答えを出すのは余計なことを考えていないからです。
「おもしろくしてやろう」「うまいことを言ってやろう」とすると筋肉が硬直して上手く運動ができないように、喋りも上手くいきません。
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日常の会話でもそうですけど面白くなるのか個人プレーではなく複数人の関係性です。
ですから一人でどうにかしようとするのではなく協力者がいることも重要です。
上級編
IPPONグランプリなどをよく見ていると、そこは特にはピックアップされませんが、芸人さんが、もうすでに答えが出ているのに敢えて答えを出さずにいる、もしくは答えを捨てる場面があります。
それは何でそうしているかというと「空気を読んでいるから」です。
「常識を外す」にも関係しますが「常識」とはその文化に蓄積された共通認識です。そこにある人間同士が作り出す共通認識、雰囲気を長い期間で考えたら常識になるんですね。
一方ここでいう「空気」というのは短期的な共通認識、雰囲気が空気です。
空気と言ってしまうと密室空間で窓を開けて空気の循環をしてしまったり部屋を替えたら変わるくらいの軽い共通認識です。
大喜利番組では短時間で次々と答えが出ます。その答えが空気を作り、流れていきます。その空気の中で正解と不正解が出来上がります。
ですから状況に応じて答えを変えていかなければなりません。
よく言われるのはウケたネタの後の答えは滑りやすいということです。
空気の熱が上昇している状態ではその上昇に沿った答えが出せればいいですけど、そこには限界があります。
一度、野生爆弾の川島さんの答えの後に誰も答えを出さないという事がありましたが、そういう事です。
番組に出ている芸人さんはプロなので基本的なのことは当然やっていますし、それを訓練しているのでとっさに出てきます。
個人でただ答えを出すだけなら面白いのに状況を考えて敢えて出さない、もしくはズラす、見送るということをします。
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