文章を書く理由(感想文は読み始めた理由)から
- 「私はこの本をお母さんに薦められて読みました」
- 「私はテレビでこの本の特集を放送している番組を見て読み始めました」
- 「本屋さんで平積みになっているのを見て思わず手を取りました」
一番書きやすい方法はこれでしょう。
恐らく一番メジャーな方法です。
そして読み始めて読み終えるまでの一連のストーリーを書きます。
理由は何だっていいんです。
とにかく字数を埋める、センスはどうだっていいから、何でもいいから埋めるのであればこの方法を試しましょう。
印象に残ったセリフ「カギかっこ」から
- 小説のメインのシーン
- 有名なフレーズ
- カギとなるセリフ
をはじめに載せるパターン。
そこを軸に作文を展開していくのは常套手段ですが、はずれの少ない方法です。
しかしそれでありながら読者にインパクトを与えます。
これはプロでもたびたび使う手法です。
小学生でも使うだけなら使えるのでやってみると面白いと思います。
やったことがないのであれば一度試してみましょう。
学校の作文は挑戦の場です。
あらゆるスタイルを試しましょう。
「踏んでいい、そのために私は来たのだ」(遠藤周作『沈黙』)
「わしはことばを得た。目にもみえることばである。わしのことばは、万世の後にも滅びぬであろう。」(宮城谷昌光 『沈黙の王』)
文学の醍醐味は比喩にあるのでそこを載せるのも面白いかもしれません。
「おしゃべりな小川だけが、老婆の集まりのように、ペチャペチャとむだ話を続けて、苛立たしい」(ルナール『にんじん』)
ユニークな表現、下ネタ表現は教育の場では難しいかもしれませんが、生徒が書くならいいと思います。
「ウンコに思想があると思うか?」(村上龍『69 sixty nine』)
「腹上死であった、と記載されている」(酒見賢一『後宮小説』冒頭)
疑問から
- 登場人物の気持ちが分からない
- 人物の関係性が分からない
- 言葉の意味が分からない
- 時代背景が分からない
小説をはじめ、本という本は他人の世界の話です。
ですから分からなくて当然なのです。
何も全部が分からなくていいし、疑問は疑問のままで構わない場合が大いにあります。
しかし大抵の本の場合は最後まで読めば意見が分かるようになります。
ですから、はじめの内は理解できなかった、でも最後になって理解ができた、というように読者である私の心の変化を文章としてつづることでストーリーが出来上がります。
ストーリーを読むことであなたの作文の読者は納得がいくのです。
否定から
- 登場人物の意見に反対する
- 筆者の主張に反対する
こういうことは生徒諸君には難しいでしょう。
日との否定から入るのは精神的に負担もかかります。
しかもそれを読者に納得させるだけの論理を用意せねばなりません。
しかしそれが失敗であれ、成功であれ、人の意見について考えるいいキッカケになります。
難しいからこそやってみる価値はあるかもしれません。
【前提】人は文章を読みたくない
意外に思われるかもしれませんが本来、人は文章を読みたくありません。
何でかといえば面倒だからですね。
一方「読みたい」という願望もあります。
矛盾した話ですがこれが実情です。
どういうことかというと、人は読むことが好きなのではなく発見が好きなんです。
ですから文章を読むことに限らず人は移動、冒険を好みます。
だからこそホモサピエンスは世界中に遍く生活しています。
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新しい知識を手に入れると気持ちよくなります。
一方でせっかく冒険に出発したのに何も成果が上がらなければ骨折り損です。
前者であればいい思い出になるし後者であればその逆ですね。
たくさん本を読んでいる人はそれだけいい思い出がある、成果物を得た経験がある、自信があるからこそ、たくさん読むようになります。
たくさん読む人と全く読まない人で、差が生まれるのはそういう理由です。
こういうことは読書に限りませんが。
「人は文章を読みたいもの」という人もいますが、それは成果を得た場合に限ることです。
ですから書き始めは
「面白そう」
「何か発見があるかも」
と読者をワクワクさせなければなりません。
別に書き始めがつまらなくても全体的に良い文だったらいいだろうと思ったら大間違い。
なぜなら「よさそう」と思うと良い文を読む準備を始めるし、「つまらなそう」だと思えばつまらない文を読む準備を始めます。
ですからツカミが大切なんです。
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