目指すのは「楽」な読書
読書は2冊同時に読むことをお勧めします。
なぜかといえば、意外でしょうが、その方が楽だから。
わからないとこは「説明」が必要じゃないですか。でも完璧な説明は1冊の本では不可能なんです。説明するとなったら無限にすることはありますし。
1冊の本で、全ての説明が完璧ということは、子供用の本でない限りむりです。
完璧な説明というのがありえないんです。
じゃあどうすればいいかといえば、関連する本を複数読むこと。
たくさん読んでいれば、「難しいこと」の説明もありますし、説明されていないことでも、いろんな角度からその分野を見ることができますから、おおよその「勘」が身につきます。
たくさん読めば読むほど、「勘」が強化されますから、どんどん読書が楽になるんです。
「読書が楽」というのは重要なことです。
読書が慣れていない時は文字を読むにもなかなか進まないことにイラつきますし。
特に今は動画を見ることに慣れていますから、自分で読み進めるスタミナが無い人が多いんですね。
そのスタミナを得るにはたくさんの情報を得ることです。
たくさん情報を知っていると情報を得やすくなるんです。
例えば日本語を知らないと日本語文は読めませんよね。
漢字をたくさん知っていればもっと読みやすくなるでしょう。
このように知識をもっているだけで楽に読むことができるんです。
一冊を集中的に読むことは知識や情報を、その一冊からしか摂取できません。
これって、たくさん読むより楽なようですけど逆に大変なんですよ。
しかし二冊以上同時の複数読みであれば、複数の著者からの複数の考え方が学べます。
人と人とは相性がありますよね。
当然、あなたと本との相性もあります。
たまたま読んだ著者の言葉が自分と相性が合うとは限らないんです。
たくさん読めば、自分に合う本が分かってきます。
例えば検定試験では一冊の検定対策本を読んだだけでは普通は受かりません。
なぜなら売れる本の厚さは限られています。
厚すぎる本は売れませんから、ある程度の薄さにするしかありません。
しかし試験に限らず、あらゆること情報というのは色々な見方があるわけです。
検定などの試験対策であれば、複数の対策を見ることによって次回の試験の対策が練られるようになります。
著者としても「あれもあるこれもある」と書きたいところですが、制約があるので、編集者とともに厳選して編集しているにすぎません。
立花隆が、ある分野のことに関して中級以上になりたいのであれば初級の入門書を20冊くらい読めばいいというようなことを言っていた気がします。
ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術
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量を読む
それはその通りで、大学で専門的な分野を集中的に研究するときには初めは分かりやすい入門書をとにかく量を読むことが求められます。
重要なことはどの本にも出てきますから理解すべき事柄、優先順位が自分の中で分かって来るんですね。
幾ら一冊の本の中で「優先度A!」なんか言っても、所詮は人から教えられた情報にすぎません。そんなことよりも自分で感じた体感が血肉となり学問になるんです。
受験勉強の方法としては一冊を完璧にしろという方法がとられることがありますが、それは受験校や生徒の性格によるものも大きく、勉強全般にはあまりお勧めできません。
とにかく簡単な本をたくさん読むほうが楽なんですね。
なぜかといえば一冊の本が完璧にわかりやすいことなどありえないからです。
初学者は絶対にわからない、理解できないところがあります。
しかし同じ程度のレベルの低いものを他にも読んでいると、わからなかったことが丁寧に説明されていたり、違う言い方になっていたりするので理解が深まるんです。
ある一個の大きな知識(体系)は、基本的な事柄が一個抜けているだけで全然理解しがたいものになってしまいます。ですから初学者はたくさんの本から色んな表現から学んだ方が楽に学習することができます。
ですから、たくさん本を読んできた人が読むのが速い傾向があるのも、それまでの読書の蓄積があるからこそ、楽に読んでいるんですね。
読書経験がある人が一冊読んでいるように見えても頭の中では過去に読んだ本の情報とかけ合わせて読んでいるんです。
つまり同時読みのようなことをしてるんですね。
当然、人は忘れますから同時に読んでいるそのままの状態ではありません。
が、たくさんの経験がある人のほうが仕事を効率よく進めることができるのと同じで、読書もまた、マルチタスクで進行するほうが、かえって速くものごとを進めることができるんです。