イスラム教といえば一神教でしょう。
他のユダヤ、キリスト教もそうですが、イスラムは特に徹底されているんです。
それに関しては後で書きたいと思いますが、今回は入口編です。
「アッラー」とは
「アッラー」という神(「アッラー」自体が「神」という意味)を信じていて、それには姿形がありません。
なので像を作ってはいけないのです。
それが有名な「偶像崇拝」の禁止。
(イスラム圏の子供たちの間でポケモンカードが流行ったときはそれが偶像崇拝になるとかで禁止になったとか)
だから像を作らずに宗教的な雰囲気を醸さなければならない。
となると、建築に頼るわけです。
イスラムと建築
- 作者: 桝屋友子
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宗教と建築というのはイスラムに限らず重要な問題です。
建築を発展させるためには当然、高度な数学が必要になります。
ですから古今東西の宗教は建築に手を出すと数学的、科学的になる傾向があります。
世界で最も流通している文字
「アラビア数字」(0.1.2.3.4.5)
はイスラム文化の賜物なんですね。
「一つ」に集約するという考え方
アッラーは唯一絶対の存在なのでこの世の中の出来事全てがアッラーに帰ります。
つまり、
「真実はいつも一つ!」
極端に言えば、コナン的思想はイスラム教に通じます。
一つの答えに帰結する考えは現在にも通用する最も科学的な考え方です。
あらゆる科学の基礎「数学」が発展すれば、その他の科学も当然発達します。
イスラムの聖典である『コーラン』が絶対的なものなので『コーラン』の解読に躍起でした。
その為、アラビア語研究が盛んになり、言語学、文法学が発達し、さらに東西の真ん中で商業、文化交流が盛んだったので医学、哲学が発達しました。
さらに占星術が盛んだったので得意な数学と相まって天文暦学が発達しました。
ムスリム商人は大いにヨーロッパ、中国を行き来していました。
有名なのは『アラビアン=ナイト』(千夜一夜物語)の「アラジンと魔法のランプ」
の主人公は、「キタイの国の仕立て屋の息子」という設定です。
「キタイ」とは世界史の授業で聞いたことがあるかもしれませんが「契丹」(きったん)のこと。
つまり「アラジン」は中国に住むムスリム商人の末裔なんですね。
ちなみにこの話自体はムスリムの人が作ったわけじゃなくて、イギリス人がつくった創作って話がありますね。
なぜならムスリムの女性が露出する服装を着ることなんてまず無いからだそうな。