「自己啓発本」は読み易い
自己啓発本が流行ってるのは即席で、「人の言葉」で社会に流れる呪文のようなものを排除できるからだと思う。
— KEC@読書@仮想通貨@ブログ (@kec_twitt) October 18, 2018
でもそれはその場しのぎにすぎません。
「自分の言葉」はその時々で排除できる言葉を創れます。
それを得るには小説、詩、哲学書を読んで自分の世界を再編集するしかありません。
自己啓発本を否定はしません。私も数冊読みましたし、たまに立ち読みはします。
でもあれはいくら読んでも自分の言葉になりづらいと思うんですよ。
私が読み込んでいないからという問題もあるかもしれませんが、自己啓発本の中にある言葉は著者の言葉の含有量が多いんです。
一方、文学作品や哲学書は読みづらいんです。
だからこそ、そこには「解釈」が入ります。
そのような作品は、読み慣れていない人からすれば読みづらいでしょう。
文学は比喩を使っている
しかし、わざと読みづらくしているのではありません。
ちゃんと伝えようとしてはいますが「これはこうである」と断定できない、虚数”i”(imaginary number)のような場所を指しているんです。
つまり「イメージの世界」ですね。
「虚数」に関してはこの記事⇓が比較的わかりやすいです。
上の記事では『ニュートン』の本を薦めています。

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「私の言いたいことはこれだよ」と指示してくれればわかりやすいですが、文学の場合、多くは実体のないものなので言葉で上手く指すことはできません。
言葉にできないものがあるんですね。
なぜなら言葉は共通認識だからこそ言葉にできるんです。
個人にしかわからない思いは言葉にすることはできません。
だから「このへんだよ!イメージして!」というように、文学、特に詩では「比喩」を使います。
比喩(暗喩)は「メタファ」(metaphor)といいますが、その語源は、
- meta(超える)
- pherein(運ぶ)
という意味の合成語です。
みんなが分かっている実態に喩えることによってそれと似た全然違うものに、受け手をパァ~っと運んでくれるのが比喩です。
比喩ってなんだ
例:カエル男
これが妖怪ではなく実際の人を指しているならそれは暗喩になりますよね。
実際のカエルの雄を指しているのではないのに、何となくその人間がイメージできてしまう、そういう想像の世界に飛んでしまうのが比喩であり、文学なんです。
これによって実際にはその場に存在しない人をイメージすることができるんです。