選ぶべきジャンル
大人になって読書感想文のレポートを書く場合に気を付けたいポイントをまとめます。
まず「ジャンル」。
これは何を読んでもいいでしょう。
課題図書がある場合はそれを読むしかありませんが。
でも一般的には、
- ビジネス書
- 小説
- 哲学・思想書
が無難でしょう。
しかし「小説」「哲学・思想書」は、読み慣れていないと読み切れません。
どうしても読まなくてはいけない場合もあるかもしれません。
有名なものであれば「解説書」の類があります。
たとえば、
- 漫画版
- 図解版
などがオススメですね。
本当に簡単に読めます。
有名なものは漫画版が出ているので便利です。
手っ取り早く仕上げたい場合はこういうのを読めば、一応、誤魔化せるんです。
大体、30分くらいで読めます。
誤魔化す気は無くても、
本文を読む前に一回目を通したほうが良い。
全体の大よその内容を知っておくと、内容を深く知ることが出来ます。
釘を刺すときに、事前にちょっと目安となる穴をあけておく感じですね。
いきなり刺すと、素材そのものがヒビ割れたり、釘がグニャったりしてしまいますよね。
仕事のための読書感想文でしょうから、一番大事なのは
「仕事に実用できるか」
というのが重要です。
そして、どういう文章が査読者に喜ばれるか、というのも重要。
文章を書くとは、とにかく読者のための文章でなければなりません。
それは、「自分を出す」作業の芸術でも同じです。
芸術って、一見、自分勝手な作業に思えるじゃないですか。
でも、実際は相手のことを想像しながら作られているんです。
本当に自分勝手なものは「芸術」として歴史の中には入りません。
つまり文章で言う所の「純文学」「詩」であっても同じという事。
「芸術」は自分を出すものではありますが、「見る人」ありきです。
ですから、どんな文章であっても、相手のことを考えるのが最重要です。
読むべきでないもの
しかし、自分にとって難しすぎるもの、面白いと思えないものは読まないようにしましょう。
「相手のことを考える」
と書きましたが、読書感想文で一番大切なのは「心の熱」です。
ですから、格好をつけて難しすぎるものを読んでも仕方ありません。
そして期限がありますから、その間で読めるものを読みましょう。
仕事に期限があるのは当たり前のことです。
だから、その期間中にできることをやりましょう。
- 本文を読む
- 関連書籍を読む
- オーディオ版・動画版を見る
などして、その本の研究をしましょう。
しかし「研究」をしたからといって、「解説」してはいけません。
あくまで「感想文」という課題であれば、「感想」を書かなくてはいけません。
感想文は、
「~と思った」➔「今後、仕事・実践でこう生かす」
というのがやるべき形。
なぜなら
「仕事」は実践ありき
だから。
「解説」は専門家がやることです。
「会社員」である場合は、それぞれの「実践」で生かすべきです。
これが「職域」というもの。
なぜ研究をする必要があるかといえば
「ちゃんと読みましたよ」
という証明のためです。
読書感想文の審査をしたことがある人なら分かることですが、学生でも会社員でも、「読んだふりをしている」
という人は一定数います。
まずそこで「篩」(ふるい)をかけます。
実際にはそこまで実践的にしなくてはいいんです。
上司、雇用主としては、
どういう考え方をしているのか、ということを安心させてあげればいいんです。
仮にわかるとしても、内容をよく知っていたとしたら、いらない情報やうんちくを混ぜてしまいかねません。
「読書感想文」は「審査」の一環です。
だから、そういうものは読んでいて面白くありません。
読み手がどういう人かを想像しながら書きましょう。
卒論の場合は、読み手が担当の教授であり、仕事は学者です。
だから学問的な見地があればよかったでしょう。
しかし会社の上司が読むのであれば、専門的・学問的な見地から書いてみ意味が無いでしょう。
むしろ「ナマイキ」「バカにしている」と思われかねません。
普通の人には、普通に分かる言葉を使いましょう。
- あらすじ
- 思ったこと
- 反論
- 学び
- まとめ
の順番で書きましょう。
気を付けるべき言葉
最終的な文章の締めで書いてはいけないことは、
- 「すごいとおもう」
- 「感動した」
- 「深かった」
- 「とても面白い」
という抽象的な言葉は避けるべきです。
こういうものは幼稚さが出てしまいます。
「書いてはいけない」という事ではありませんが、これを効果的に使えるのはかなりの上級者です。
ですから、どういう場面で使ったら効果的かが分からない人は使わない方向にしましょう。
では逆にどういう言葉で代用したほうが良いかといえば、
「自分の体験で例える」
というのが一番です。
なぜ、上記のような言葉を感じたのでしょうか。
そう思えたのには理由があるはずです。
例えばこういう感じです。
- 「すごい」➔自分一人では思いつかない発想だった。
- 「感動」➔過去に~という経験をしたがそれを思い出した。
- 「深い」➔以前は、~と思っていたが、至らなかったことを思い知らされた。
- 「面白い」➔新しい発想を知って快感を覚えた。
といった感じです。
こういうものは誰でも思い浮かぶ言葉です。
あなたが書く必要が無いものであり、読み手も読む必要が無いんです。
だってそんな簡単な言葉で締めくくられた文章を読んでも面白くないでしょう。
自分一人で「面白い」「感動」したって思っても、それを読んだ相手はチンプンカンプンです。
読み手からすれば、「すごい」とも「感動」とも思えません。
きつい言葉を言えば、時間の無駄です。
あなただってこの記事を読みながらそういう表現ばかりであれば「で、なんなの?」「なんだこれ」って思うでしょう。
そう思わせた時点で「時間の無駄」であり、読み手に損を与えています。
そういう感覚を持った書き手に対していい印象を持つことは無いでしょう。
こういう言葉を思い浮かんだら、
「何で自分は『すごい』と思ったんだろう」
と、自分の感情の理由を探ってみましょう。
文章を書くことは自分の感情を探すことです。
誰でも思い浮かぶ言葉を使っているのは、いわば、人の感情に乗っかっているだけです。
これはあくまで参考例ですが、自分が体感としてこういう感覚を持ったか、を言葉にするのが重要です。
こんな「ありきたり」な言葉は慎むようにしましょう。とはいえ、難しい言葉を多用素ののも考えものです。
だからこそ、
「体感でどう思えたのか」
というのが重要なんです。
しかしこういうのは一朝一夕に言葉が思い浮かぶものではありません。
ですから普段から小説や詩を読んだほうが良いんです。
小説を読んだほうが良い理由
「小説って何の役に立つの?」
という質問がたまにあります。
いわば、小説は
「生(なま)の言葉」
なんです。
例えば、食材そのもののようなもの。
一方、ビジネス書や実用書は、
「こう使いましょうねぇ」
と、すぐに使える、食べられる料理です。
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