出典は『万葉集』から
時に初春の令月(れいげつ)にして、氣淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。
五・八一五右序文「于時初春令月 気淑風和」 〔儀礼‐士冠礼〕
【現代語訳】
初春の好(よ)き月にして、空気はよく風はやわらかに、梅は鏡の前の美女が装う白粉のように開き、蘭は身を飾った香のように薫っている。
- 「令月」とは「めでたい月」
- 「風和らぎ」とは「風が和やか・やわらか」
出典は1300年の歴史上、初めて日本文学からじゃないかと予想されてましたけど、やはりそうでしたね。
『万葉集』は、約1200年前の歌集で、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人・農民などの庶民の歌が集められて作られたものです、
『万葉集』の言葉の由来は、仙覚という僧侶の注釈によれば、
「やまとうたは人の心をたねとしてよろづのことのはとぞなれりける」
【現代語訳】
日本の歌は、人の心を基にして、様々な言葉になる
からきていると言われます。
ただ、その注釈は結構時代が下ってからですから、正確かどうかは分からないですけどね。
日本に限らず、文学の始まりは「詩」(うた)から来ています。
詩を読むことで人の本当の心が読めるヒントになると思います。
なぜなら詩は自分の言葉でないと書けないからですね。
このブログのように散文となると、人の言葉を基にせざるを得ないところがあります。
しかし詩となれば、短いこともあって「人の心」を種とすべきものなんですね。
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これまでは中国の古典からの引用でしたから、あんまり取っ付きにくかったかもしれません。
でも万葉集となったら、ちょっとした万葉集ブームになるかもしれませんね。
元号を変える理由
元号をなぜわざわざ変える必要があるのかというと、端的に言えば、
「気分転換」です。
え?そんなこと?と思うでしょうけど本当です。
昔は、良いことばかりではなく、悪いことがあった時も元号をころころ変えていました。
しかし、そんなにころころ変えていたら大変なので、日本国民にとって一番大変な事だけに絞って変えようという事になりました。
それが天皇の崩御なんですね。
でも今回の場合は、崩御ではなく、譲位です。
本来は悲しいムードになるものですが、今回は皇太子殿下への譲位ですから、なんだか楽しいムードですね。
ツイッターを見てみると、今までは西暦だけでいいと思っていたけど、変わるというだけで何だかワクワクする。
という意見が見えました。
確かにそうなんですね。
人は、場所や環境が変わることに何だかソワソワ、ワクワクするんです。
学年が変わったり、小学校から中学校に変わるという感覚は、なんだかワクワクするじゃないですか。
引っ越しでもそうですね。
そういう意味で、国民全体が気分転換する、いい機会になるんです。
世紀の「世」の字は漢数字の「十」を三つ繋げた文字です。
人間が本格的に働く時間は大体30年ですよね。
そういう意味でも30年という節目は、改元としてもちょうどいいんじゃないかと個人的に思ってます。
字の意味
「平成」が戦後の平和を祈っている雰囲気がありました。
「平和」なことが全体的なキーワードとしてあったと思いますけど、「和」はそんなイメージを持ってますね。
「令」は「命令」や、漢文では「~せしむ」という使役のイメージがありますけど、もともとは「神意を聞く」象形文字とされています。
そこから
- 「優れた」
- 「めでたい」
というように意味が拡がっています。
これは『新字源』を引いてます。

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歌のイメージについて
それ以外の歌全体のイメージも「春」のイメージがなんとなくありますね。
安倍さんの説明でも「四季」や「自然」のイメージがあるという話もされてましたね。
SMAPの「世界に一つだけの花」の「一人一人が違う花を咲かす」というような内容が言及がされてたのが意外でしたね。
日本といえば桜ですけど、この歌は梅の花の話です。

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「音」について
日本語には「らりるれろ」の「R」で始まる言葉が少ないですし、舌先を使う音でラ行が苦手な人もいますね。
まぁ書くことは多くても、口に出すことは少ないですけど。
「わ」は音にしにくい音ではないでしょう。
「昭和」からなじみのある言葉ですし、名前にもよく使われる漢字で好かれやすい字ですね。
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