1つの分野では限界がある
一つの分野に詳しくなるとそれの理解度が速いのでついつい、その分野ばかり読みがちです。
そしてオタク化していきます。
しかし一つの分野だけ読むばかりで、深く潜り込むのはちょっと限界があるんですね。
例えば、西洋哲学を読むときには、ただ、そのままその知識をインプットしていきます。
しかし、読み進めていくうちに、どうしても理解が追いつかないことってありますよね。
そういう時は違う分野を読むからこそ、深く掘り下げられるようにもなります。
例えば、西洋哲学を読んでいたなら、東洋のも読んでみるとか。
そうなると両者の違い、輪郭がよく見えてきて、東洋哲学を読んでいるのに西洋哲学について詳しくなってきたりもします。
その理由は、違う分野を読むと、既存の分野の知識を使って読むから。
よく「違いが分かる」っていうように書かれることもありますけど、それはちょっと違うと思っています。
一回受け入れた情報は忘れてると思っても、読書によってよみがえります。
ですから脳内の情報が、多層的、複雑化していきます。
複雑化するってことはカオスに近づくってことです。
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時間が伸びる
「複雑化する」ってことは情報の空間を自由に飛び移れるってこと。
他から見たら「突飛な発想」に思えるようなことでも、それができるようになります。
なぜなら自分の中では発想が繋がってるから。
突飛な発想に見えるのは、自分の中の情報の宇宙が狭いから。
だから人から見たら距離感のありそうな発想ができるようになるんです。
宇宙空間をワープしているのと一緒ですね。
空間と時間は一緒ですから、空間を飛ばすということは時間も飛ぶということ。
結果的に時間も長くなっていきます。
なぜなら考える時間が短くなっていくからですね。
普通の人が何時間もかけて理解することが、一瞬で理解できるようになります。
例えば、読めない漢字がたくさんあると、辞書で調べなくてはいけませんよね。
その1字を調べるのに時間が1分かかるとしましょう。
すでにその漢字を知っていれば、その分の1分を削減することが出来ます。
結果的に個人の持ち時間が増えるんです。
アウトプットにもなる
インプットとアウトプットという言葉が流行りましたが、インプットは基本的に本を読むことで行われます。
しかし、既存に詳しい分野がありつつ、別分野の本を読むときは、既存の分野の知識を使って、別分野の本を読むことができたりする場合があります。
つまり既存の知識で解釈するんですね。
となると、新しい分野をインプットしつつ、別のところで、既存の詳しくなった知識をアウトプットしていることになります。
本を読むということは、著者の意見を読むことでもあります。
もう一つは、自分で解釈すること。
有る程度知識がついてくると、世の中のあらゆることをその知識でもって解釈するようになります。
芸術家が政治を語ると、理想的に語ったり、
商売人が政治を語ると、合理的に語ったり。
こういうことはよくあることです。
「政治」という答えが無いものは、正解があるわけではありません。しかし正解があるかのように当然のように語るのはそれ以前の知識、世界観によるものです。
その世界観は知識により変わっていきます。
それと同じように、ある同一の本を芸術家が読むのと、商売人が読むのとでは読み方が変わっていきます。
では両方の読み方で正解があるかといえば無いんです。
読書の究極は「私はこう思う」っていう事にとどまります。
同じ本を別日に読むと、同じことを思うかといえば絶対にそうなりません。
微妙に変わっていきます。
その間に別の本を挟むとその本の解釈が入ってきたりもします。
そうなると、知識を余計深めることになります。
なぜなら、別の分野のことを、既存の知識で解釈することになるので、自分で自分の知識でもって創作しているのと同じことになるからですね。
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