プロの読み方に親しもう
文学(小説、詩)は読んでも、その研究書を読んでる人って少ないんですよね。
「研究書」っていうのは、作品や作家について、大学の先生とかが書いているものです。
難しいと思うかもしれませんけど、そうとも限りません。
博士論文をそのまま書籍化したものは難しいかもしれませんが、それでは一般人が簡単には読めないから簡略化したものがあります。
どれが難しいかどうかは読んでみないと分からないので立ち読みすればいいだけです。
簡単なものであれば、題名から興味のあるものを読んでみるのも面白いですよ。
その理由は勧められる場所が無いからでしょう。
でも何かの間違いで難しい名作を読み始めたとしても、読み切れることはほとんどないじゃないですか。
それは「読み方」が分からないからです。
国語の授業でも、名作の読み方っていうのは分からないまま終わりますよね。
だから、プロの力に頼ったほうが良いんです。
「でもなんか難しいでしょ」
と思うでしょう。
確かに難しい解説書は多いです。
しかし今では段々と簡単に読めるものも増えてきました。
おススメは
- まんがで読破シリーズ
- ジュニア新書シリーズ
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初めはこういうもので慣れていったほうが良いと思います。
それでも、子供っぽいから嫌だという場合は、「新潮選書」シリーズ。
これはやや大人向けではあります。
が、岩波文庫のように一昔前のものではなく、今風に解説されたものが多いので現代人でもとっつきやすいです。
でもそれでもなかなか分厚い内容なので、一旦これを読んでみて、
「やっぱムズイ」
ってなったら、ジュニア新書に移っていけばいいです。
読書はこういう風にいろんなタイプの本を読むことからスタートすればいいんです。
このシリーズは文学に限らず色んな教養本がありますから、興味があるものを読むことをおススメします。
「研究書」が一般的ではないのは何故か
世の中で売れている本は「宣伝」されてるからっていうのが大きいです。
特に小説ですね。
テレビで「この小説がドラマ化、映画化」ってなるだけで宣伝になります。
でも、そういうのを読むのもいいですが、長い人生の中で役に立つ、自分の頭の中で楽しめるってなったら、研究書を読んだほうが良いんですよ。
読まないともったいないと思います。
なぜなら「プロの読み方」だから。
「ドラマ化」されるような作品っていうのは、長くて13時間くらい(1時間ドラマ3か月分)くらいで終わります。
そして何の教養のない人でもわかるストーリーである必要があります。
でも長い間楽しめるやつって、教養ありきで楽しめるやつなんですよ。
そういうものは「文学研究」されるものが多いです。
そういうものは読むたびに発見があるものなので、ドラマ化されづらいです。
そもそも、そういうものは「難しい」のでスポンサーが付きません。
だからそういう理由でも純文学は大衆メディアに乗りづらいんです。
よっぽど関心が高まってる「芥川賞」ものは、大衆メディアに乗ることがありますが、ほとんどは、
- 2時間ドラマ
- 2時間映画
になるだけです。
長期のお金をかけて作るには採算が取れないんでしょう。
しかも人気の俳優、アイドルを起用したもので客の入りを見込むものが多いので、どうせ質のいいものは望めません。
だからそんなものを見てもいいですけど、一生の財産になるような名作は、自力で読むことは難しいので、「プロの読み方」に乗っかったほうが良いんです。
作品の読み方は十人十色。
ですから「正しい読み方」というのはないんですけど、無いからこそ、プロの目線というのは大変面白いです。
なんせその作品や作家に関しては何度も読みこんでいる人です。
だから普通の人が気づかないような、あるいは作家自体が気づいていないようなことを指摘したりします。
それって自分の読み方を否定したりすることにはならないかと思うかもしれません。
でもそんなことは無いです。
確かに素人が読んでいる読み方より細かく読んでいますから
「自分の読みは甘かったな」
と思うのが普通です。
でもだからと言って一回でも読んでいた事実は変わらないわけです。
ですから過去の読み方と、自分以外のプロの読み方を比較する手段になるんですね。
文学の楽しみ方ってそこにもあると思うんです。
何度も読むことによって新たな発見があるんです。
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そうすると次にほかの作品を読むときにもっと深い読み方ができるようになります。
深い読み方っていうのは一方的な、主観的な読み方ではなくて、多角的、多次元的な読み方です。
一回読んだときは、
「大体こういう話だったかな?」
とストーリーを追う程度です。
が、複数回読んでいくと、
「何でこいつはこうしたんだろう?」
と今まで思わなかった疑問が自然と、沸々と出てきます。
ですから色んな味わい方ができるんです。
読書は興奮する
読書を静かな活動だと思われがちなんですけど、すごく動的な活動ですよね。
何で静的な活動と思われるかは、ハタから見たら動かずじっとしているからでしょう。
しかし頭の中では体で動く以上の活動をしているわけで物凄いエネルギーを使います。
ですから私はアミノ酸を時々補給しながら読書をしています。
眠くなったらマズいのでコーヒーやカフェインを補給しています。
小学生でエナジードリンクを飲んでしまっている子がいるそうですけど、子供に限らずカフェインは摂らないほうがいいです。
しかし音話し方がないときがあるのでカフェインを多少取るほかありません。
カフェインはエネルギー補給ではなく神経を興奮させているだけです。
アミノ酸は生命維持の必須の栄養ですがカフェインは栄養ではないんです。
興奮剤です。興奮剤という事はどういうことかといえばエネルギーを前借してるんです。つまり切れたらどっと疲れる。
ですから原則止めましょう。
子供は一日コーヒー牛乳を1~2杯くらいならいいですけど、エナジードリンクは絶対に飲んではいけません。
エナジードリンクは一本で物凄い量が入っているので絶対アウトです。
読書は一冊読み始めたらずっとその本ばかり読んで楽しんでいるという人は少ないんじゃないでしょうか。
なぜかというと書かれていることが全部わかるという事は普通ないからですね。
読んでいる本にもよりますけど大概はわからないことが出てきたりするものなので辞書や研究書を併せて読んだほうがいいと思います。
苦手なものも読めるようになる
いくら読書好きでも苦手なものってどうしてもあるじゃないですか。
最近『グレートギャツビー』をやっと読めたんですけど、図書館でフィッツジェラルドの研究書を探してみ見つかりませんでした。
「やっと読めた」というのはなかなか途中で挫折してしまってたんですね。グッとくるものがなかったんです。私の中にフックがないというか。
つまりわからなかったんで研究書を読まないと落ち着きません。名作って言われてるんですから正当な読み方があるはずです。
ですから研究書を併せて読まないと気持ちが悪いんです。
そうして会話の中でさっと語れるくらいのレベルに行かないと落ち着けません。
一回通しで読んで分かりにくかったところと漫画版を併せて読んでっていうくらいしかしてないです。
何となく感想を持ちましたけど
「村上春樹っぽいな」
「アメリカっぽいな」
っていう程度です。
あとは言語化できない、なんかもやもやしたものですね。
正直、文学はフランスドイツ、ロシアのほうが文学以外の文化も歯ごたえのあるものばかりなので、アメリカ文学も大味な感じだなって感じてしまいました。
アメリカ文化に特別感情がある人なら面白いかもしれないですけど、私はアメリカに特別な感情を持っていないので入り込みづらいというのもあるかもしれません。
でも名作だって言われてるんだから当時のアメリカら作者の何か背景があっての面白さに違いないんです。
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村上春樹は苦手だけど内容は少しでも入れておきたい!という方へ
小説の場合は注釈がついているので併せてパラパラしながら読むことが多いですけどあくまで間に合わせって感じですかね。
ちゃんと読むなら参考書を一緒に読みたいです。
ですから大抵研究が進んでいる本のほうがいいと思います。
日本の場合は断然漱石ですね。
「こころ」で読みなおす漱石文学 大人になれなかった先生 (朝日文庫)
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漱石研究は抜群に進んでいるので面白い本がたくさんありますから読まないともったいないです。
どうせそのまま読んでもわからないところがあるんですから、絶対併せて読みましょう。
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