「歴史性」を無くすことになるから党名を変えない
よく
「日本共産党は良いことも言うんだから『共産党』という名前を変えたら?」
っていう話になるけどその回答は
「我々は共産主義を諦めていない」
みたいなよくわからない回答。
でもよく考えたら、「共産党」という名を捨てると、「党」としての歴史性を無くすことになる。
つまり共産党としての
- アイデンティティ
- 説得力
- 発言力
が無くなるということ。
ただでさえ支持率がないのにそれが無くなれば存亡の危機になるってことです。
「歴史性」って何
それは他の党でも一緒でしょ、と思うかもしれない。
けど、たとえば日本の党の場合、日本という国の歴史性、もっと言えば天皇の継続性が歴史の担保になっている。
だから、首相が変わろうが日本は日本のままと、世界からも認識される。
ところが共産党は天皇を認めてないため、その継続性が無い。
「継続」って重要?
継続性ってそんなに重要なのかといえば、それが説得力であり権威付けになり、他者が話を聞いてくれる理由になります。
例えば中国の場合、最近聞きませんが「中国4000年の歴史」というように歴史性をよく強調しますし、中国人、特に漢民族は歴史をかなり大切にしています。
日本的感覚からすれば王朝交代がコロコロしてるから歴史性が無い、継続性が無いという人が居るけど、当の中国人からすれば
殷(商)の時代から中国は中国だ。
という中華思想のなかの、「歴史教」という宗教的価値観にのっとっている。
それは実際に中国史を我々が学ぶ際も殷王朝から学び始めるので、他者である我々も、違う王朝もまた中国であると認めていることになる。
日本共産党の場合「名」という概念が大事
ところが日本共産党の場合、そういう党の歴史的概念の基盤になるようなものが無い。
継続性は一人の人間ではなく、中国の場合は「中華の歴史」、日本の場合は「天皇」という概念が歴史を担保してるから継続性を保証してくれているけど、人間では誰でも「人間は誰でも平等」とどこかで思ってるから出来ない。
だからこそ党首もコロコロ変えることが出来ないってこともあると思う。