ノーミソ刺激ノート

書評やスポーツ、言語に関することを書きます。

読書が頭に入らないのはなぜか

 

頭が悪いわけじゃない

 

読書していても文字を追ってるだけで内容が全然頭に入らないことってありますよね。

これって自分の能力が低いわけじゃないんですよ。

漱石だって

二三ページ読むと眠くなる。涎を本の上へ垂らす。これが彼の毎夜繰り返す日課である。

と『吾輩は猫である』で漱石自身がモデルのクシャミ先生の様子を書いてあります。大作家でもそうなんですから全員読書に集中できなくて当然なんです。

 

読書というのは興味のある分野でなければ頭に入りません

興味を持てる分野はそれに関しての知識がないと興味を持てません。

知識は構造的なものなので少しでもその分野を知っていれば興味が持てるもんなんですね。

 

「一を聞いて十を知る」方法 - ノーミソ刺激ノート

 

ですから何か本を読むときに「流行っているから」「有名だから」という理由だけで買って読んでみると1ページも頭に入らないなんてことが起きるんです。

その場合は相性があっていないので変に粘らずに別の本を読みましょう。

立ち読みをドンドンして自分にとってピンとくるものから読んだほうがいいです。

 

立ち読みをしよう! - ノーミソ刺激ノート

 

小説の場合はそういうことがよくあります「くだらない」って思っちゃうんですね。

自分に身近な話じゃなかったり、簡単な構造に思える、誰でも理解ができそうなものはなかなか興味が持てません。

私は古典や純文学をよく読みますが、流行の大衆文学はほとんど読みません。

 

そういう歯ごたえのある文学を読む場合はすぐに理解ができないんですよね。そういう時、私はまずは漫画をお勧めします。なぜかといえば大よその話の流れを知っていれば理解が早まるからですね。

古典や純文学はストーリーだけがおもしろいのではありません。むしろそこではなくて細かな描写や言葉の使い方に面白さがあるんです。漫画でストーリーを先に知ってしまえばそこに気を配れるようになります。

 

が、やはり漫画版だからと言って興味の持てないものは全然読む気になりません。

小説嫌いの人の理由の中で「作り物だから」「くだらないから」というのはハナからその分野、書かれている人間関係に興味が持てないからです。小説と言っても色々あるのでたくさん読んでいれば興味が持てるものが絶対になるはずなんです。でもそんなにたくさんの分野を一度に知ることはなかなか難しいもんです。

そういう場合は「まんがで読破シリーズ」をお勧めしています。

 

漫画で教養 - ノーミソ刺激ノート

 

なぜなら古典的名作を一冊に凝縮していますから大体の内容がそれで分かるんですね。

小説って本当にくだらない代物かっていうと、そんなことないんですよ。

でもすぐに効果が出るものではないんですね。

 

人の上に立つなら小説がいい

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人の下で働いている、部下の状態であれば小説はあまり関係ないかもしれません。

その場合はより良い手足である必要があるので色んな知識がいるでしょうから新書をたくさん読んでいればいいでしょう。

 

すらすらいける!新書入門 - ノーミソ刺激ノート

 

でも人の上に立ったり、独立して生きる場合には小説は必要だと思います。なぜかといえば小説は「解釈する力」が付くからです。

人の下で働いてるなら上の人の考えを注入されて生きてればいいです。しかし上に立つとなると生きていくうえでの問題を自分で解決しなければなりません。

 

30代になったら小説を読もう。 - ノーミソ刺激ノート

 

解決するには正解があればいいですが正解なんか学校のテストじゃないんですから普通はあるはずありません。役所などの官僚が自分で解決できないのはそういう理由があります。

 

自分で解決しちゃいけないようになってるんですね。法律というのは人が作ったものを順守するものです。法律になければ前例です。前例を作ることは法律を作ることに準じます。ほぼ法律と言っていいでしょう。

官僚は公僕、つまり公の下僕なので勝手な法律解釈はできないというシガラミもあるんですね。

そうでもない限り小説は読んだほうがいいです。一朝一夕に能力が付くわけではないので。

 

解釈入門の小説

分かりやすいのであればルナールの『にんじん』なんか面白いかもしれません。

短くてすわかりやすいです。

これは三人兄弟の末っ子「にんじん」(赤毛でソバカスがついているから)が主に母親から虐待を受けるという話です。

にんじん (新潮文庫)

にんじん (新潮文庫)

 
にんじん (古典新訳文庫)

にんじん (古典新訳文庫)

 

何がいいかというと普通に読んだら児童虐待で、それが解決されるわけでない話なので「かわいそうだ」「理不尽だ」「救われない話だ」という感想しか持ちません。

児童文学にもなっているので子供は普通「かわいそうだ、それにくらべてぼくは・・・」云々、くらいでおわります。

 

にんじん (ポプラポケット文庫 (409-1))

にんじん (ポプラポケット文庫 (409-1))

 

 

かと言って大の大人が読んでもそれくらいで普通は終わります。大人だろうが解釈できる力がついていなければ仕方ないからですね。

これってどういう解釈ができるって、よくよく読んでいたら後半になればなるほど反発しているんですね。はじめは精神的にではなく肉体的にです。

頭の癖っ毛を直すためにポマードをつけられるんですが、それでも髪の毛は立ってしまいます。これは家族がどうやっても主人公である「にんじん」を制御することができないことを象徴するシーンになっているんです。

しかし一回読んだだけではただただ無理やりポマードをつけられて「虐待されている、かわいそうだ」の一点張りで読み進めてしまいます。

こういう、いろんな解釈をするには他の人の読み方を知ったほうが効率がいいので文庫の後ろに付録されてる「解説」を先に読んだら読みが深まります。

www.kotensinyaku.jp

光文社版の訳者の「あとがきのあとがき」がネットで公開されているのでそれを読んでみたら面白いと思います。

 

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