「具体的過ぎる本」は薄い
読んでも効果が薄い本は、哲学を現代の問題に即して書いた、簡単すぎる本、具体的過ぎる本。
例えば
- SNS疲れ
- 職場疲れ
- 現代のいじめ問題
など、具体的に今の人たのち心の問題を仏教や哲学などで解くもの。
こういうものはすぐにやつ立つものです。謂わば消化が簡単な離乳食、おかゆのようなもの。
逆に効果が高いものは抽象的に書かれた哲学本文です。こういうものは自分で料理をして自分で消化するようなものです。こういう本が数冊読めれば、所謂「大人な意見」が言えるようになりますし、あらゆる問題の糸口を見つけやすくなります。
逆におかゆのような本しか読んでいない場合はそこに書かれているようなことしか話せません。所謂「うけうり」ってやつですね。
始めに読むべきもの
とはいえ、岩波文庫などの哲学本文は訓練をしていないと読めないので、初めは「現代語版」「漫画版」「図解」など、大学一年生が読むような簡単な本から始めたほうが良いです。
簡単な本を読むメリット【漫画・図解】 - ノーミソ刺激ノート
「本選び」が重要。
上にあげたような
- SNS疲れ
- 職場疲れ
- 現代のいじめ問題
など具体的過ぎる本は「簡単すぎる本」です。
そういう簡単すぎる本も読んでもいいです。が、その後は絶対にその哲学本文を読むぞという前提にしましょう。
なぜなら、具体的に書かれすぎているほうは応用が利きづらいです。せっかく読んだのに応用が利かないのでは、もったいないじゃないですか。
人生はあらゆる問題にぶつかります。具体的な問題が同じように現れることは少ないです。効果だけを求めるのであれば、難しい本を何度も読むことが一番理想的。
でもそれでは初めは読めないし、スタミナがもちません。だから簡単すぎない「簡単な本」を読むのが良いんです。
「そんなの時間がかかる」
と思うかもしれません。そうです。読書は時間がかかります。でもそんなことを考えていてはいつまでも本は読めません。
繰り返しますが本当に困っているなら「簡単すぎる本」が良いでしょう。離乳食、おかゆのようなすぐに役立つような本です。
「簡単すぎる本」ってもちろん読んでもいいですし、本当に疲れている人には最適だと思います。
しかしそこまで問題化していなくて「読書でもしよっかな」っていう感じで読んでも効果は薄いです。
それであれば、そういう哲学の本は現代語で書いてある普通の入門書、解説書を読むほうが良い。具体的な問題解決のための本は、「本当に今、困っている」という人だけ読みましょう。
なぜなら具体的に書かれすぎているものはあらゆる問題に対応できないから。
ショウペンハウエルの『読書について』で「読書は、しすぎると自分で考える能力が無くなるからよくない」というようなこと書かれています。
これは半分正解。
具体的に書かれすぎているものを読むと自分で考えられなくなりますが、多くの本は、一生かかっても考えられないようなことを他人が考えて書いてくれているので、考える材料に読書は重要なわけです。
だからあらゆる問題に対応が出来るように、自分で考えられるように、哲学の本文が現代人にわかりやすいように書かれている本、「現代語版」「漫画版」「図解」などから読み、本文にレベルアップすることがおすすめです。