小説や映画を一回読んだだけで終わりにする人はほとんどですよね。皆さんいろんなことで忙しいので、読書が趣味というわけでもなければ一回読めればいい方で、挫折することのほうが多いはずです。
しかし本当にその小説について考えて、意見を述べられるようになるには何回も読まないと到底無理ですよね。
何しろ忘れますし。塾講師をやってた時に生徒が一週間じゃ忘れないと言ってたことがありますが、中高生だって忘れます。若いから忘れないというのはとんだ勘違いで、忘れていること自体の認識がないことが殆ど。
若いときは何でもできるとか物覚えがいいと思うのはストレスが少ないという事もあるかもしれません。でも大抵の場合は、「若いことはいいことだ」と無批判に思っている大人が若者は無垢ですぐに覚えられるもんだと思っている「信仰」を持っているだけだと思いますね。
しかも中高生は案外覚えていなくてはいけないことが少ないですよね。大人は忘れてはいけないことがたくさん出てきますから「忘れる」という事に敏感になっているだけです。
物忘れが本格的に激しくなるのは60過ぎてからでしょうから変に年取ったとか物忘れがと気にしているほうが脳には問題がありますからやめましょう。
以下のことは私の勘です。
- ストーリーをざっくり覚える。(1~4回)
- 主人公の心理を覚える(1~100回)
- 登場人物の関係を覚える。(1~4回)
- 登場人物の名前を覚える。(10回)
- 登場人物のおおよその心理を覚える。(4~100回)
- 登場人物の細かな心理を覚える。(10~100回)
- 別のストーリーの可能性を想像するようになる。(100回~)
- 自分の解釈ができるようになる。(100回~)
物語の長短もありますけど。
もちろん一回目から自分の解釈をしようと思えばできますけど、100回読んでからの解釈が本物の解釈だと思います。なんでかというと全体のことを殆ど読み間違いなく認識できるのが100回を超えてからじゃないと無理だと思うんですよね。
でもほとんどの人はそんな暇ありませんからそんなに読まなくていいと思います。
登場人物の名前も1回じゃ絶対に覚えられないですよね。慣れてない海外文学であればなおさらです。ロシア文学なんか愛称もありますから、そこまで含めると10回じゃ効かないかもしれません。
主人公の名前であっても一回では一週間もしてしまえば、その小説のことをずっと考えているわけはないので忘れてしまいます。
カラマーゾフの兄弟を読みとおしたい!その方法 - ノーミソ刺激ノート
登場人物の心理に関しても、その小説ばかり読んでいては意外と気づかないことだってあります。たくさんの小説の描写で、歴史的な描写の決まりごとがあったりしますから、本来の作者の伝えたかった意図をちゃんと組めていない可能性だって十分あります。
かといって読者側の勝手な解釈が悪いとは言いません。
小説の解釈は正解もありませんから。でも基本的なところはあるので、そこを抑えるにはいろんな種類の名作を読まないとわからにところもありますから、気楽に読み進めるしかありません。