世界的に読まれること
よく言われていることをまとめます。
- 世界的な問題であること
- 時勢に影響する
- 政治的な問題に影響する
- 民族的な問題であること
ノーベル賞は世界的に読まれます。
世界的に読まれるには、他民族が読んでも理解ができるという事が重要でしょう。
ちなみに文学作品は英訳されたものになります。
ですから、日本文学的なレトリック、つまり日本語を知らないと分からないシャレやユーモアはほとんど無視されます。
ユーモアやお笑いの問題でも言われることですが、色んな民族が集まる国のお笑い番組では
「誰でもわかること」
が結構重要。
「民族性」は「珍しさ」
「民族的な問題」は、世界的に読まれることとは逆行しているようでそうではありません。
世界的な文学賞だからこそ、狭い、局所的な物語に価値が生まれます。
世界的に分からない問題だからこそ、それを当事者が書いてくれるから「おもしろい」と思えるんですね。
例えばよく「ダンスの世界チャンピオン」の日本人がテレビに出てくることがあります。
すぐに思うのは「ダンスで日本人が1位になれるの?」ということ。
運動神経や歴史で言えば、欧米人や黒人には勝てないでしょう。
しかし彼が言っていたのは「日本人であることを活かす」とのこと。
日本人的な考え方で、細かな技を駆使することだそう。
つまり「希少性」(めずらしさ)ですね。
「めずらしさ」は持ち前の肉体とは別に、考え方でどうにかなります。
ですからそういう独特の問題を、できるだけ簡単な言葉で表現するんですね。
日本のお笑いの場合、日本の常識を知っていることが大切です。
その常識を崩すのがお笑いに繋がるからですね。
優れた作家でも取れないパターン
日本の文学作家でも優れているのにノーベル賞を取れない、または翻訳ができない作家が結構います。
有名なのが
- 司馬遼太郎
- 宮澤賢治
ですね。
司馬遼太郎の文章は翻訳が本当に少ないんです。
世界的に認められないからレベルの低い作品とは言えません。
司馬遼太郎の作品は、日本語のレベルが深いせいで認められないんです。
同じく賢治もそうです。
だからといってレベルが低いとは言えません。
ノーベル賞を取っていない作家はレベルが低いとは思わないようにしましょう。
賞の基準によって選ばれないというだけのことです。
俳句が推理文学の賞に受賞することが難しいのと同じことです。
ノーベル賞の基準
ノーベル自身の要求としては、
候補者は「人類の福祉に最大の貢献 」 を行っていなければならず 、文学賞は特 に 「理想的な方向性 」の条件を満 たしていなければならない 。
とあります。
この「理想的な方向性」というのが、政治的なことに結びつきます。
とはいえ、世界的な政治を考えなければなりませんから、極端な事にはならないような気がします。
村上春樹が急に政治的な発言をするようになったのも、そういうことが影響するんじゃないかと言われていますよね。
でも私としては、もともとそういう作品が多かったので、特別ノーベル賞を意識しての発言とも思えません。
そもそも、政治に限らず、関心を持つのは内面的な欲求が無いと難しいですからね。
彼は元々、共産主義的な方向性、弱者救済の方向性の思想傾向があります。
大江健三郎もそうですね。
そういう理由で、リベラル、左翼的な思想が嫌いな人は両者を嫌う傾向があります。
私も方向は関係なく、政治的な話は苦手なので、避けていました。
でも、読んでみると面白いですよ。
芸術は政治を無視して考えたほうが良いです。
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