文学の決め手はリズム性?
小説のリズムって音楽的リズムと関連してるはずです。
多分それくらいの論文も出てると思いますけど。
例えば町田康も元々ロックだかパンクミュージシャンですけど彼の文章も非常にパンキッシュな感じがするわけです。
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単語もファンキーですし文章のリズムが小気味いいんですよね。
一方、嫌いな小説家の文章だったり、元々音痴な人の素人の文章だといまいちノれないわけ。
音楽のジャンルに好き嫌いがあるように文章のリズムにも好悪は分かれるもんだと思います。
リズムありきは昔から
文章のリズムって結構重要で、俳句などの詩もそうだし、漢文でもそうなんですよ。
時数を一定のリズムで整えることによって暗唱しやすくなる。
覚えやすくなるっていう効果があるんですがそれをちゃんとやっています。
私の好きな「老子」でいえば、
道可道,非常道
名可名,非常名。
無名天地之始
有名萬物之母。
このように字数を併せて意味の切れ目もあっています。
道可道/非常道。6
名可名/非常名。6
無名/天地/之始 6
有名/萬物/之母 6
さらに細かい音の高低(平仄)もあるんですが割愛します。
それは現代文学でも踏襲していることです。
昔の文学は東西問わず音読が基本ですが、黙読だとしても音を感じて読んでいることに違いはありません。
やはり漱石の文章も然り。
七五調に近くって非常にリズミカルなんですよね。
「吾輩は」5
「猫である」5
「名前はまだない」8
「どこで生まれたか」8
「とんと見当がつかぬ」6
とか
「
「小供の時から損ばかりしている。」12(5+7)
とか。
漢文の素養もあるんでしょうが、落語も好きだったりします。
ほかの文豪もそうですけど。太宰とか。
高校生の読書感想文でそのことを指摘したらかなりいいかも。
もちろん全体性も問題ですけど。
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やっぱりありましたね。