使ってる漢字が違う
- 簡体字は主に中国大陸で正式に使われている文字
- 繁体字は主に台湾(中華民国)で正式に使われている文字
といった感じですね。
中国の文字「漢字」は様々な変遷を遂げています。
書きだすときりがないし、本が一冊書けるくらいの奥深さがある問題ではあるんです。
が、ここでは基礎知識と私の経験を書きたいと思います。
簡体字「简体字」とは
中国大陸で使われている正式の文字形態です。
テレビで中国関連の映像が出てくるときに見ることがあると思いますが、日本の漢字表記よりも簡単な表記の方法です。
それまではもっと複雑な感じを使ってたんですけど、文革の後からこれを教育するようになりました。
基本的に共産主義は「過去」「学問」が嫌いです。
なぜなら、過去の学問を頭に入れていたら「革命」が出来ないからですね。
日本語にはたくさんの文字がありますが、僕の感想では、それは色んな部野に関心が持てる文字環境だったというのが原因だと思います。
そうなったのは島国だったから、外国から人が来る人が少なかった。
だから自国のほうは外国に興味を持った。
そうなると、色んな文字を使って外国のことを勉強することも楽しくなります。
大陸の外国では嫌でも外国が攻めてきますから、そのイラつく感情が相まって、楽しく学ぶことはできませんよね。
外国のことを学ぶのは、戦争のためというのが大きいでしょう。
しかし自国にもアイデンティティがありますから、それも深めなくてはいけない。
だから仮名も使うし、漢字も使う。
西洋文化が入ってきたらそれをカタカナで使う。
だからこその複数文字を使う文化になったんじゃないかと。
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繁体字「繁體字」とは
主に台湾、香港、マカオで使われている漢字本来の形を留めた字体です。
日本でも旧字体として使われることのある字体です。
台灣、香港、マカオでも微妙に字の書き方が違いますが、御存知の通り漢字は複雑なのでデザインが違う感じです。
簡体字より複雑っていうものが「繁體字」と思っていいと思います。
- 簡体字表記:「简体字」 「繁体字」
- 繁体字表記:「簡體字」 「繁體字」
台灣に行った時感じたことは、保守的な考えの人は簡体字を嫌う傾向にあります。
と言うかほとんどです。
日本人は普通中国語は簡体字で教えられます。
使われる頻度はこっちのほうが多いからでしょう。
英語教育ではイギリス英語ではなくアメリカ英語を勉強するのと一緒ですね。
ですから中国語を書くときには当然のように簡体字で書いたのですが、台湾で中国語を習っているときは簡体字を繁体字に描き直しさせられることが普通にあり、台湾人は繁體字にかなり愛着を持っているようです。
文字そのものがアイデンティティになってるんですね。
確かに日本語を書く時に簡体字で書かれたらそれはなんとなく日本語じゃない感じがしますよね。
中には簡体字で中国語を勉強している日本人に気を使って「簡体字でいいよ」といってくれる人も居ますが、私は台湾人とチャットするときは絶対に繁體字で中国語を書くようにしています。
むしろ台湾人に対して簡体字で中国語会話している人を見ると無神経だなと思ってしまいます。
分からない場合は最低でも日本の新字体で書くようにしています。(これも違うけどね)
台灣では普通、中国史上の正当性を持っているのは中華民國(台灣)としているので、古くからの文字を保っているんだと思います。
台湾人は器用に(?)画数の多い漢字を普段から書くので日本人の私でも「すごいな」と思ってしまいます。
他の文字文化の人が漢字を書く人を見た時とやや似た感覚なのかなと思いました。
どっちがいいとかいう話は言えませんけど、日本に漫画が発達した大きな理由というか、大いに関係があるのは、漢字と仮名の合わせた文字表記に違和感を感じないメンタリティだと思います。
台湾には注音字母っていうカタカナのようなものがあるんですけど、それはあくまで漢字教育以前に使う子供向けの文字なんです。
「普通に使わないの?」
と訊いたら、使わないと当然のように言ってました。
日本人的感覚からすれば、それがあったほうが便利なのに、彼らからすれば、文字によってアイデンティティを保持していることもあって、昔からの文字を使う事にプライドを持っているようです。
それは日本人も全部漢字表記にしたり、アルファベット教育に変更するかって言ったら少し抵抗ある人が多いと思います。
それと同じ事ですね。
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