三島の逸話
三島由紀夫は大変な勉強家で有名ですが、作家の神津カンナ氏が子供の頃、三島に
「辞書を読みなさい」
っていわれると、
「辞書は読むものじゃなくて引くものでしょ?」
って反論したんですって。
そしたら
「辞書は読むものだ。必要になってから引いてるようじゃだめだ」
といったという。
三島は中学生のころには国語辞典一冊を丸暗記していたらしいです。
そこまではいかなくてもいいかもしれないですけど、辞書は読んでも面白いものだと思います。
でも簡単にマネればいいってもんじゃないと思うんですよ。
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普通の人は真似しないほうがいい
もちろん何事も経験ですし、(やりはじめるだけなら)簡単にできることですから、やってみればいいと思います。
それで楽しいと思える酔狂な人であればきっとうまくいくでしょう。
が、大抵の人は1ページもいけば挫折します。
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薄い辞書ならできると思うじゃないですか。
でも辞書って普通の本よりも紙が薄く作られてるんですよ。
コンパクトに収まるように。しかも文字は小さいし。
1ページを読むのには大変な苦労が伴います。
三島は極端な形式主義なので、楽しく読めていたかもしれませんが普通、ストーリー性のないものを読書のように読み進めることは難しいです。
私はそうでした。
受験生でも英和辞典を丸暗記しようと熱くなっている人が何人もいました。
我慢強い人で全員二ページほどで脱落します。
なぜなら日常使わない言葉ばかりなので楽しめないんです。
小説にはストーリーがありますし、新書やエッセイなども一つの有機的につながった物語があるんです。
しっかり読者が流れるように勧められるような設計になってるんです。
一方、辞書は1ページから順番に読む想定では作られてはいません。
そういう風に作ってないのにそういう風にするのは、読者が作者よりもパワーがあるようなことがない限り無理。
よっぽどのガッツがあったり、もはや信じられないほどの信仰のようなものがあれば別ですけどね。
三島はそれができたんでしょう。
自分の信仰の下、公衆の面前で割腹自殺したくらいですから、まともなガッツじゃありません。
でも読めるんじゃないの?
と思う人はぜひ読んでみてください。それを試しても無駄ではありません。
でもそれをやらなくてもたくさんの本を読むか、三島由紀夫の本を何度も読むほうが語彙力は上がるはずです。
最近は語彙力ものの本がたくさん平積みされていますよね。
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そういうものも読むといい勉強にはなりますが、併せて実用されている質の良い小説を読むほうが効率がいいでしょう。
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で、わからない単語は辞書で調べる。
三島だったら、『仮面の告白』は私小説的で読みやすいです。
仮面の告白の冒頭だけでもリズム感がよく、色気のある文章だと思います。
石原慎太郎氏も絶賛していましたね。
そうは言っても辞書を読むことを趣味としている人はいます。
じゃあどんな辞書でもいいかというと、人によって違うと思います。
『国語辞典』を何の理由もなく「読みたい!」と思えるなら読めばいいでしょう。
この「何の理由もなく」というのが大切です。
好きなものに理由を求めちゃダメです。それを求めると実像なんてないですからね。
何でもいいから「ワー」、「ぼんやり」って感じの好きでいいんです。
しかしそこまで積極的な感情が無いのであれば選べばいいと思うんです。
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読む辞書は選んで読もう
辞書にはいろんな種類がありますからね。
以下の辞書でちょっと引っかかるものがあれば、普通の辞書と違って読めちゃうなんてことが意外とあります。
有名な広辞苑や、小学生向けの辞書もあります。
小学生向けのものは暇な時にパラパラ読むだけで楽しい作りになっているので、大人が読んでも楽しかったりします。
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あとは以下のように特殊な辞典もあります。
ふつうの国語辞典では全体をざっくりと書いているので読みやすいですね。
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